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DOWAメタルテック

代表取締役社長 西澤 春雄

DOWAメタルテックは、車載用コネクタ材料のスタンダードとなったNB109、高級リードフレームのC7025、部品の超小型化を可能にする超高強度のYCuT-FXをはじめとする高機能銅合金をグローバルに提供する伸銅板条製品、ガス・水道分野で高い採用実績を有する棒製品、自動車電装品や携帯電話部品などの厳しい表面品質をサポートする貴金属めっき加工、そして産業機械からHVカー、風力発電、電鉄などのインバータ回路に不可欠なキーパーツである金属セラミック基板といった専門性の高い製品と、さまざまな技術サービスを提供しています。

上海・タイにはリフロー錫めっき工場を設置。タイでは、銀・ニッケルめっき加工も行っています。現地生産を展開するお客様に日本と同一の品質で現地調達をサポートしています。

また、車載用NB109、NB105については、米国・ドイツのメーカーへライセンスを供与しており、北米・欧州・アジアへのグローバルな供給体制を整えています。また、2012年度には、深圳とシンガポールに営業拠点を開設し、サービスエリアをさらに拡大しています。

当社はこれらの製品・技術サービス・ネットワークでお客様に様々なソリューションをご提供いたします。

DOWAメタニクス株式会社

所在地:〒438-0025 静岡県磐田市新貝2630
従業員:205名(2013.3末)

IT産業を支える金属材料

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DOWAメタニクスは、1961年に合金製造の会社として創業し、2007年よりDOWAグループの一員として、金属材料の製造を通じて、IT産業の先端技術を支えています。

現在、スマートフォンやパソコンなどの情報機器は、世界中に市場が拡大すると同時に、小型・軽量化が強く求められています。当社は、日々進化するこれらの情報機器に欠かせない銅系・ニッケル系の高機能合金の製造や新合金の開発、そして素材のみならず部品の設計・加工を通して、機器の高性能化や安全性向上、環境負荷低減に取り組んでいます。さらに、技術の向上や人財育成にも力を入れており、これらの活動を通じて、今後もより一層人々の暮らしの豊かさに貢献する企業を目指します。

環境に配慮した高機能合金開発の強化

DOWAメタニクスは、主に情報通信機器に使用されるリードフレーム・コネクタなどの素材となる高機能合金を製造しています。スマートフォンやパソコンなどの部品は、機器の小型・軽量化に伴い超小型化が進んでおり、これを実現するため金属材料にも一段と高い性能が要求されています。

これまで、この分野のコネクタには、ベリリウムという金属元素を含んだ銅合金が一般的に使われてきました。しかし、ベリリウムの酸化物は人体に有害な影響を持つため、当社ではベリリウム銅の代替として、写真銅とチタンの合金に、「集合組織制御」「析出物制御」などの独自技術を用いることで性能を飛躍的に向上させた超高強度銅合金「YCuT(ワイカット)-FX」を開発しました。本製品は、添加元素がチタンのみという安全性に加え、十分なばね性や複雑な形状に加工できる加工性を持ち、超小型コネクター、超小型スイッチなどに最適な製品です。チタン銅の製造技術は難易度が高くコスト面にはまだ課題もありますが、ユーザーからの安全性への要求に応えるため、環境や人体に配慮したモノづくりを進めています。

VOICE磐田技術センター 課長代理
鈴木 基彦

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当社のチタン銅「YCuT」シリーズは製造が非常に難しい銅合金であり、品質・コスト・デリバリー向上に向け、研製販一丸となって取り組んでいます。製造技術の課題は大小さまざまありますが、足元の品質管理・生産性対応と将来の理想状態の追求の両方が求められており、いかに対応すれば最良の結果が得られるのか模索する日々が続いています。今後は、新設備導入による良品条件の導出、品質バラツキ要素の排除や品質維持体制の構築を進め、「品質のメタニクス」が市場に定着するよう活動を続けていきます。

TPM活動による人財育成

DOWAメタニクスでは、収益力と会社基盤の強化を目的として、全員参加のTPM活動を長年にわたって展開しています。TPM(Total Productive Maintenance & Management)とは、生産システムのライフサイクル全体を対象に、生産システムの効率を阻害するあらゆるロスの未然防止を目指して、人・設備・企業の体質改善を図る全社的マネジメント活動の総称です。

多岐にわたるTPM活動のうち、柱の一つである人財育成では、写真職能・階層別に体系化された教育を進めています。中でも社員がより高い目標を持ち技術的に向上を図るため、資格取得の支援を推進しており、現在オペレータの3人に1人は国家技能検定などの資格を取得しています。また各部署では、活動方針や目標、計画と進捗状況などを「活動板」を通じて関係者全員で共有しています。社内ではこの活動板のコンテストも実施しており、職場の課題・活動内容の見える化および共有化への意識向上につながっています。

VOICETPM推進室
室長 藤村 博美(左) 担当課長 大村 康正(右)

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当社の経営革新の欠かせないツールとなったTPM。活動における社員のさまざまなチャレンジ精神をバックアップするのが、TPM推進室の役割です。多忙な日常業務の中で活動を展開する原動力は、「現状維持ではダメだ」という危機感を共有する以外にはありません。活動内容も従来の製造・技術部門主体のものに加え、営業・企画・総務等の間接部門が参画する活動へと広がり、「全員参加のTPM」になっています。今後は活動過程での苦楽を全員で共有する中で、会社の成長と人の成長が実感できるTPM活動の推進に尽力したいと思います。

2012年度トピックス:Shall We Walk!

DOWAメタニクスでは、社員の健康促進を目的とした「Shall We Walk」というウォーキング活動を実施しています。参加者は、1日6,000、8,000、10,000歩の中から自分の目標を選び、3か月の期間中、毎日万歩計で歩数を記録します。毎回ほぼ全社員が参加するこの健康イベントですが、期間内に「禁煙」するとボーナスポイントが付与されるなど、ユニークな工夫を行っています。運動不足はわかっていても一人ではなかなか行動できないものですが、写真ゲーム感覚で健康維持に取り組むことができ、さらに社内コミュニケーション活性化の一助にもなっています。2012年度は部署ごとのチーム参加形式を追加しており、今後もさらに参加・目標達成を促す制度とすることで、より社員の健康に寄与できるよう、取り組みを続けていきます。

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