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社会性パフォーマンス社会との関わり

DOWAグループは、事業を通じて社会課題に取り組むことにより、さまざまな貢献を果たしていきたいと考えています。また、社会と調和した事業活動を通じて継続した成長を続けることで、ステークホルダーの方々が求める価値の創造に努めていきます。

東日本大震災復興への継続支援

DOWAグループは、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興のために、これまでさまざまな支援活動を行ってきました。義援金や物資を中心とした初期の緊急支援活動から、現在は地域のニーズに合わせてDOWAグループの事業を通じた復興支援へと内容を変化させています。震災から既に2年以上が経過しましたが、大切なのは関心を持ち続けながら行動することであると考え、中長期的な視点に基づいた支援活動を目指しています。

復興支援チームの結成

2011年5月、DOWAエコシステムは震災復興支援チームを結成し、仙台市に事務所を開設しました。廃棄物処理、リサイクル、土壌浄化、環境物流、プラントエンジニアリングの技術やノウハウを活用して、災害廃棄物の処理に取り組むとともに、2012年度から始まった福島県の除染事業にも協力しています。

災害廃棄物の円滑な処理に向けて

DOWAグループは、岩手・宮城両県において災害廃棄物処理の支援を行っています。主な活動は、広域処理のコーディネートおよび物流、現地処理におけるがれき類の選別および焼却処理です。

DOWAが培ってきた技術やノウハウを使用して復興を支援

〈広域処理〉

広域処理の支援

特に被害の大きかった岩手・宮城・福島の3県では莫大な量の災害廃棄物が発生し、地元自治体だけでは処理しきれず他県に協力をお願いする必要がありました。そこで、震災復興支援チームは、他県の処理業者および協力会社とともに災害廃棄物の運搬処理ネットワークを構築し、宮城県内の各処理区JV(共同企業体)に提案しました。この提案が評価され、自治体から他県民間業者への広域処理「第1号案件」となった木くずのリサイクルや、そのほか不燃物の広域処理にも協力することができました。

物流事業の支援

DOWAグループは、広域処理の物流に全面的に協力し、専用コンテナを提供して岩手県(宮古、釜石ほか)から混合がれきを東京都の処理施設に運搬しました。そのほか、災害廃棄物を焼却処理した後の焼却灰等の最終処分施設への運搬にも協力しています。

colmn:災害廃棄物の現状

東日本大震災からの復興における大きな問題の一つが、「災害廃棄物・津波堆積物」の処理です。国の推計によると、地震に伴う大規模な津波によって、岩手県では約476万トン(1年間に排出される一般廃棄物の約11年分)、宮城県では約1,569万トン(同約19年分)の災害廃棄物が発生しました。写真災害廃棄物の処理は復旧復興の大前提であるため、被災地では、環境省の基本方針に基づき自治体が中心となった処理が進められています。その処理に際しては、廃棄物を再資源化が可能なもの、焼却が必要なもの、埋立が適切なものにそれぞれ選別し、適正処理を図る必要があります。

〈現地処理〉

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がれきの選別

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2011年10月より、気仙沼市において震災がれきの選別作業を開始しました。宮城県の災害廃棄物は発生量だけを見ると一般廃棄物の約19年分ですが、通常の分別された一般廃棄物と仮置場に運び込まれる災害廃棄物とでは全く状況が異なります。運び込まれる膨大な廃棄物は、木くずや畳などの可燃物、コンクリートや金属などの不燃物、家電類などの特定品目の廃棄物が入り混じったままで、どのように選別するかを検討するところからスタートしました。これらの中には、貴重品や思い出の品なども混じっており、人の目と手を使って丁寧に選り分ける必要がありました。さらに、利用可能な面積が少ない仮置場では、分別した廃棄物の配置や保管方法も課題となり、あらかじめ効率的な作業計画をつくることが非常に重要でした。余震が続く中、沿岸域に設置された仮置場では、作業者の安全を第一に確保して処理を進めるなど、これまでにない配慮や手法が求められましたが、早期復興を望む地域の方々のご協力のもと、DOWAグループがこれまでに培ったノウハウを活かし、作業開始から2013年3月末までに累計約14万トンの処理を達成しました。

焼却炉の建設・運営

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南三陸町および気仙沼市では、災害廃棄物焼却処理施設の建設と運転管理を行っています。一日でも早い復興のために、行政、関連会社、地元の方々と一丸となって取り組み、通常半年以上かかる建設も3か月という短期間で完了させることができました。災害廃棄物は津波の影響で塩分や土砂が含まれているため、幅広い性状の廃棄物に対応し、迅速かつ適切な処理ができる竪型ストーカ、向流式キルンという異なるタイプの焼却炉を建設して、廃プラスチック類、木くず、紙くずなどの処理を進めています。南三陸では処理能力95トン/日の焼却炉3基、気仙沼では200トン/日と100トン/日の焼却炉各1基、トータルで年間約20万トンの処理能力を有しており、災害廃棄物の迅速な適正処理を通じて、震災からの復興に貢献しています。

2012年度 その他の活動

被災地の移動図書館プロジェクト

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DOWAグループでは、東日本大震災の復興支援の一環として、2012年2月~5月の約3ヶ月間、社員が不要になった本やCDなどを持ち寄り、これらの中古品買取金を被災地で移動図書館プロジェクトを展開する「(社)シャンティ国際ボランティア会」へ寄付することで活動を支援しています。「移動図書館」は、津波で大きな被害を受けた岩手県沿岸部をはじめ、宮城県、福島県の仮設住宅を巡回しています。2012年5月には、DOWAオリジナルのエコバッグを巡回時の書籍貸し出し用に提供しました。

この取り組みは、従業員自らが自主的に関わることができる支援を考える中から生まれ、2011年度より本社で開始し、グループ報などを通じて事業所へ展開、2012年度は12月にも回収を実施しています。

東北レインボーハウスプロジェクト

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DOWAグループの株主総会では、毎年CSR報告書をエコバッグに入れて配布しています。2012年度は、被災した子供たちの日常的なケア活動を長期的に展開する「あしなが育英会」の東北レインボーハウス設立活動を支援するため、エコバッグ製作を通じて、その費用の半額を寄付しました。

株主総会でのエコバッグの配布は、6年前より環境や資源の保護を目的として、紙袋ではなく長く使用できるエコバッグを採用したものですが、さらにフェアトレードで購入したエコバッグや省エネ活動を推進するクーラーバッグを選ぶなど、DOWAグループのCSR活動を伝えるツールとして毎年テーマを考えて製作しています。

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