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社会性パフォーマンス特集2 安全への取り組み

誰も怪我をしない、怪我をさせない~全社安全運動プロジェクトの始動

「安全第一」「安全に近道なし」――あらゆる産業において長年繰り返し叫ばれているスローガンですが、大きく報道されるレベルの重大な事故災害は残念ながら後を絶ちません。DOWAグループの生産拠点における事故災害は、厚生労働省災害統計における同規模の事業所での数値と比較すると度数率・強度率※ともに下回っているものの、安全文化の構築はいまだ道半ばと言わざるを得ません。DOWAグループは、「安全最優先」という社会的責任をグループ全体で一層確実に果たすべく、全社横断型プロジェクトを始動させました。

※度数率:100万延べ労働時間当たりの労働災害による死傷者数(災害発生の頻度)
※強度率:1,000延べ労働時間当たりの労働損失日数(災害の重さの程度)

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安全活動レベルの底上げを目指す

DOWAグループは「“安全はすべてに優先する”との基本理念に立ち、全従業員が自主的に活動に取り組み、安全衛生水準の向上を目指す」という安全衛生方針のもと、国内外の全事業所において安全衛生委員会などの組織を整備、年間安全衛生計画に基づいてさまざまな安全活動を展開しています。各事業所独自の活動に加えて、危険体感教育の受講支援、地域単位での合同安全パトロールや事業会社内の安全監査・指導など、安全活動の第三者ないし相互チェックの仕組みも取り入れています。しかし、安全活動が果たして事故災害防止や従業員の安全意識向上に成果を上げているか、長年の活動がマンネリ化していないかなど、各事業所それぞれに悩みや課題を抱えているのも事実です。また近年の急速な事業拡大に伴い、特に海外を中心に事業所数も増加しており、新規拠点の安全組織整備や安全教育支援などのニーズも高まっています。

こうした状況を踏まえ、2012年8月、DOWAグループは安全担当取締役を責任者とする全社安全運動プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは「誰も怪我をしない」「怪我をさせない」をスローガンに掲げ、DOWAグループ全体の安全活動レベルの底上げを目的としています。全国各地の主要事業所から安全活動の「キーマン」を指名してプロジェクトメンバーとして召集、ヒヤリハットやリスクアセスメント、安全パトロールなどの活動の「あるべき姿」について議論を重ね、2013年度半ばからのプロジェクトの全社展開に向けた準備を進めています。「あるべき姿」の構築に際しては、各事業所における「良い(先進的)安全活動事例」を積極的に取り上げ、グループ全体で共有できるよう採り入れています。

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海外における安全活動の推進~海を越えて学び合う

安全運動プロジェクトはまず国内を中心に展開しますが、DOWAグループでは既に海外事業所における安全活動レベルの底上げにも着手しています。特に近年拠点が急速に増えたアジア地域のうち、まずタイと中国において安全活動の拠点間交流を重点的に進めています。

基本的には安全運動プロジェクトと同様にそれぞれの国・地域における安全活動の底上げを目的として、各事業所持ち回りで合同安全パトロールや勉強会などを開催し、お互いに学び合う仕組みです。日本と異なる文化や事業・労働環境において、現地従業員の安全意識を高めて活動を定着させ、さらに活性化させるべく、さまざまな試行錯誤を重ねながら推進しています。日本の事例やノウハウを展開するばかりでなく、逆に各国における「良い事例」を積極的に日本に紹介するなど海を越えて学び合い、最終的に「DOWAグローバル安全標準」の構築を目指します。

安全に近道なし~「安全最優先」という社会的責任

安全文化は一朝一夕に構築できるものではなく、日頃の地道な安全活動の積み重ねが不可欠です。さらに企業はその活動を継続する限り、安全を絶えず守り続ける義務があります。そのためにも、実効性を伴った安全活動を実現すべく、会社と従業員が一丸となって取り組む必要があります。具体的には、安全運動プロジェクトのキーワードにも掲げているように、経営層の強力なリーダーシップによる「トップダウン」と、現場の最前線にいる従業員からの「ボトムアップ」の一体化を図らなければなりません。

DOWAグループのCSRにおいて、従業員も重要なステークホルダーであり、したがってその労働安全確保もグループの重要課題です。また安全確保は安定操業の大前提であり、同時に地域や社会の信頼の基礎でもあります。DOWAグループは、安全運動プロジェクトを中心に据えた取り組みを通じて、「安全最優先」という社会的責任を一層確実に果たしていきます。

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