企業の社会的責任(CSR)の目的は「持続可能な発展に貢献すること」にありますが、一方で現在の社会は、持続可能な発展に向けた道程にさまざまな問題や課題を抱えています。環境、水、食糧、貧困…と、社会課題は多岐にわたりますが、金属資源を利用することで成り立つDOWAグループの事業にとって、資源の有効利用は特に重要な社会課題であると認識しています。当社は資源の有効活用を通じて、持続可能な発展に貢献するべく取り組んでいます。
天然資源である鉱石は、消費し続ければいずれは枯渇します。リサイクルは重要な解決策の一つですが、金属を効率的に回収する技術に加え、その過程で発生する有害物や非有用物を安全に処理するための技術とインフラも重要です。さらに、効率的にリサイクル原料を集荷する社会システムの構築、多種多様な原料を処理する手間やコストなど、リサイクルにも解決すべき技術的・経済的・社会的な課題が存在しています。
DOWAグループでは、貴金属、家電、自動車、使用済み小型家電など幅広いリサイクル事業を国内外で展開していますが、リサイクルだけを行うのではなく、自社が有する廃棄物の中間処理施設や研究所、運輸部門を活用し、さまざまな側面から資源の有効活用に向けて課題解決の取り組みを進めています。
2015年、国連「持続可能な開発サミット」にて「持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals(SDGs)」が採択されました。SDGsには、2030年までに地球規模で解決すべき17の目標と169のターゲットが明記されています。この持続可能な開発目標を達成するために、企業を含む世界中のあらゆるセクターにおいて行動することが求められています。
金属資源を利用することで成り立っている当社の事業にとって、SDGsの目標「12.持続可能な消費と生産のパターンを確保する」は、最も影響があり、かつその貢献において大きな力を発揮することができる領域と考えます。企業理念に示すとおり、「資源循環社会の構築」に当社の技術やリソースを通じて取り組んでいくことで、目標12の達成を目指します。
また、当社の資源循環の取り組みを通じて貢献できるその他の目標について以下に示します。
DOWAグループは、金属資源をめぐるさまざまな課題と向き合いながら、事業を通じて持続可能な金属資源の利用に貢献していきます。