DOWA CSR報告書2017

編集方針

TOP MESSAGE 2018トップメッセージ

高品質な素材の安定供給を継続して、社会課題の解決に貢献してまいります。

DOWAホールディングス株式会社
代表取締役社長
山田政雄

 DOWAグループは、1884年に秋田県小坂鉱山で創業しました。
現在では金属の生産から高付加価値製品の製造、廃棄物処理・リサイクルに至る、独自の循環型事業を展開しています。
 当社の製錬・リサイクル複合コンビナートでは、副産物や副原料から高効率に金属を回収して市場に供給しています。金属資源に限らず、当社の製品・サービスは、自然エネルギーの活用に不可欠な部品材料として、あるいは、電気利用効率の高い素子として、また、自動車部品の耐久性を高める加工サービスとして、幅広く資源循環型社会や低炭素社会の構築に貢献しています。

 いうまでもなく、製品・サービスを安定して供給することは、我が社の社会的使命であります。供給の継続のためには、原材料の確保と人材の確保・育成の2点を、当社の重要な課題と認識しています。
 原材料の確保に関しては、リサイクル副原料に限らず、海外鉱山の獲得に注力しています。資源メジャーによる寡占化やいわゆる資源ナショナリズムによって資源確保競争が激化する中で、単純買鉱による調達に依存せずに、自山鉱を増やすことで調達の長期安定化をはかっています。ただ、こうした鉱山開発は一朝一夕にできることではなく、探鉱から操業に至るまでには10年以上の歳月がかかる上、地域住民、生態系、文化遺産への配慮や、大気、水質、土壌などの環境汚染の防止、さらには労働者の人権や安全にも十分な配慮が必要となります。私たちは、これらの取り組みを、パートナー企業と共に一つひとつ着実に実施しています。

 人材確保と育成の強化について、日本における少子高齢化による労働力人口の減少傾向は、当社の事業拠点においても例外ではありません。育児や介護など、業務に一定の制約のある社員にも力を発揮してもらえる環境を整備し、それぞれの働き方で活躍してもらうことがとても重要です。また、働き方の選択肢を増やすだけでなく、現場能力向上のための教育支援やITインフラの拡充による効率化などの取り組みも考えていかなくてはなりません。さらにCSRの推進によって、社会から信頼感や安心感を抱いていただける企業であり続けることが、従業員の誇り、自信とモチベーションアップに繋がり、それが組織力の向上へと結びついていくものと考えます。
 働き手の価値観の多様化やコミュニケーションスタイルの変化に対して、企業も変化する必要があります。2018年度にスタートした「中期計画2020」では、事業を支える組織基盤の強化だけではなく、人材・組織面での長期的な成長基盤の構築を目指しており、教育機会にも積極的に投資していきます。
 良いものは残し、新しいものは取り入れ、変化の牽引者となる人材の育成を目指します。

 当社は、2009年に「国連グローバル・コンパクト」に署名し、人権・労働・環境・腐敗防止に関わる4分野10原則を遵守した企業活動に取り組んでまいりました。私はDOWAグループのトップとして、今後も「国連グローバル・コンパクト」を継続的に支持することを改めて表明いたします。DOWAグループは社会の持続的発展に貢献するべく、すべての事業活動を通してこの10原則を実践してまいります。

 また、2016年1月に国連の持続可能な開発目標(SDGs)がスタートしており、世界中の企業に事業の本流で課題解決の実践的役割を果たしていくことが求められています。当然ながら、当社もその一翼を担う所存です。当社は事業領域が広いため、貢献できるSDGsの目標はいくつも当てはめて考えることができます。しかし、循環型社会形成を長年実践してきた当社にとって、最もリーダーシップを発揮でき、事業を通じて大きな貢献が可能な領域は『目標12.持続可能な消費と生産』です。SDGsの目標を現業への単なる当てはめに終わらせずに、さらにその周辺課題にビジネスチャンスありと、もう一歩、二歩と踏み出しながら、世界共通の課題解決に向けた取り組みを加速させつつ事業展開してまいります。

 これからも持続的な成長に向けた施策を着実に実行し続け、ステークホルダーのみなさまのご期待に応えるべく尽力いたします。
 今後ともみなさまのご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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