企業統治DOWAグループは、社会から信頼される企業であり続けるために、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題の一つと位置付け、「DOWAグループの価値観と行動規範」に基づき、取り組んでいます。
企業統治分野における2017年度の活動状況と、2018年度の計画は以下のとおりです。
企業統治重点施策 | 課題 | 指標 | 評価 | 主な実績 |
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内部統制・ガバナンスの強化 | 内部統制に関する説明会の実施 | 経営幹部層・担当者への 説明会参加者数140人以上 |
○ | 160名出席 |
コンプライアンス、 リスクマネジメントの強化 |
国内外各社の内部統制活動支援 | 国内外10社 | ○ | 10社以上で実施 |
CSR調達推進 | 回答しやすいアンケート作り | 設問項目の見直し | △ | フォーマットおよび企業情報登録の見直し |
調査範囲の拡大 | 製造以外の業種で重要な 調達先への展開 |
○ | 設備機器メーカーへの展開 |
内部統制・ガバナンスの強化 | 国内外各社の内部統制活動の支援 | 役員ハンドブックの作成 | |
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コンプライアンス、 リスクマネジメントの強化 |
ハラスメントに関する説明会の実施 | 3回 | |
CSR調達推進 | 推進体制・方法の見直し | 他業種交流を踏まえた見直し実施 | |
社内教育の推進 | 調達担当者を対象とするCSR調達教育の実施 |
経済開放政策が進むミャンマー連邦共和国では、海外から進出する企業が増加し、資源開発、交通・電力などの基幹インフラの整備、工業団地や商業施設の建設などが急速に進められています。このような急激な工業化・都市化に伴い、環境負荷の増大が懸念されており、中でも急増する廃棄物の資源化や適正処理を推進する必要性が高まっています。DOWAグループは日本や東南アジア、中国での環境・リサイクル事業で培った経験や技術をベースに、2016年よりミャンマーでの総合的な廃棄物管理事業を行っています。
ヤンゴン近郊のティラワ経済特区に立地するGOLDEN DOWA ECO-SYSTEM MYANMAR(以下、GEM社)は、ミャンマー初の民間による廃棄物処理施設として、廃棄物の運搬、選別、中間処理、リサイクル、最終処分と総合的な廃棄物管理ソリューションを提供しています。
人権を尊重する責任を果たすことは事業を行う国や地域がどこであっても大切ですが、多民族国家であるミャンマーには多くの少数民族が存在し、人権への配慮が強く求められます。GEM社はDOWAグループが参加する「国連グローバル・コンパクト」に基づき、地域社会に向けたさまざまな取り組みを進めています。活動の実施に当たっては、進んで地域住民の状況を理解し、自社の企業活動の情報開示に努めるなど、相互の信頼醸成を基本としています。また、地域住民への配慮に加え、ともに働く従業員の人権教育にも取り組んでいます。2016年12月以降、世界人権デーに合わせ継続的に人権教育や「世界人権宣言」の解説を行い、人権尊重の重要性について学んでいます。
地域リーダーとの月例ミーティング
従業員への人権教育
廃棄物の不適正な処理は生活環境を悪化させ、水や土壌の汚染によって子供や高齢者のように弱い立場の人々の健康を損なうなど、基本的な人権を脅かす可能性があります。環境汚染は発生後に対策するのではなく、未然に防止するための環境管理が重要です。
GEM社が保有する2つの廃棄物埋め立て処分場は、多重遮水構造を用い浸出水集排水管やガス抜き管を設置するなど、ミャンマー初の国際基準(米国Environmental ProtectionAgency基準)に適合した施設です。排水処理プラントは周辺環境への影響に配慮し、日本やアジア各国の排水基準を基にした国際的な基準に準じています。さらに廃棄物や水質の分析施設やリサイクルのための中間処理施設も備え、経済発展に不可欠なインフラとして、ミャンマーの環境保全と公衆衛生の向上に貢献しています。
GEM社は、DOWAグループのCSR方針に沿って、企業統治、安全、環境、社会の4分野のCSR活動すべてに取り組んでいます。事業を通じて社会に貢献するだけでなく、CSR活動を通じて社会の信頼を得て、ともに成長していくことを目指しています。