企業統治DOWAグループは、社会から信頼される企業であり続けるために、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題の一つと位置付け、「DOWAグループの価値観と行動規範」に基づき、取り組んでいます。
DOWAグループは、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を経営の最高課題の一つとして位置付け、社会への貢献と内部統制の効果的かつ効率的な体制整備・運営に、グループ全社を挙げて取り組んでいます。
詳細はこちらのコーポレート・ガバナンスに関する報告書をご覧ください。
DOWAグループでは、健全かつ効率的に組織を運営すると同時に、意思決定の迅速化と経営の効率化のため、執行役員制を採用するとともに、持株会社制を導入して事業部門を子会社に分離しています。また、監査役会の設置、社外取締役の選任により、経営の健全性の確保を図っています。
当社の取締役会には、社外取締役2名を含む取締役8名で構成され、社外監査役3名を含む監査役4名が出席します。また、取締役会の業務執行の決定および監督機能については、取締役会による実効性の評価を毎年実施し、継続的な改善を図ることとしています。
【評価対象】
2017年4月から2018年3月までに開催された取締役会(計15回)
【評価者】
すべての取締役および監査役
取締役会が自由闊達な議論の場になっていること、およびその構成・運営・付議事項等を含む実効性は充分に確保されていることが確認されました。また、昨年度の課題として挙げられた、取締役会に事前に提出される資料の検討時間の一層の確保については、改善傾向にあると評価されました。
全社的リスクの評価方法の検討や中期経営計画の実施施策に対する分析および振り返り等についてさらなる改善が必要であるという意見が示されたことから、これらを踏まえ、引き続き取締役会のさらなる実効性の向上に取り組んでまいります。
DOWAグループにおいて、「遵法」とは、企業経営の基本を成すものと位置付け、「DOWAグループの価値観と行動規範」に基づき、内部統制の強化や教育を核とした対策に取り組んでいます。また、DOWAグループ各社が毎年の内部監査に対応することにより、コンプライアンスに対する意識の向上を図っています。
DOWAグループではコーポレート・ガバナンスの強化を図るため、ホールディングス(持株会社)とグループ各社が内部統制の基本方針や基本システムを共有するとともに、具体的な活動において各社ごとの独自性を活かせるようにすることで、持株会社制に合わせた効果的かつ効率的な内部統制を図っています。
DOWAグループが定める内部監査規則に基づく内部監査は、会計監査や法務監査、安全環境監査など企業活動全般に関わり、各関連部門とグループ各社の連携のもと、実施しています。また、監査結果については取締役、監査役および関係部署に報告しています。2017年度は、内部統制の強化の一環として国内は10社で内部監査を実施し、海外は東南アジア・中国の13社において内部監査を実施しました。
内部統制システムに関する基本方針およびその運用状況については、当社のアニュアルレポートをご覧ください。
DOWAグループでは、企業理念の実現、経営計画を達成する上で阻害要因となるリスクを適切に管理し、社会的責任を果たし、かつ持続可能な企業価値の向上に資することを目的として、リスクマネジメントに取り組んでいます。グループを取り巻くリスクのうち、「事業リスク」は取締役会等が、「CSRリスク」は環境・安全部門が各部門と連携して対応します。
DOWAグループでは、大規模地震に加え、近年増加している台風、集中豪雨による洪水などの自然災害に対応する事業継続計画(BCP)を地域・事業所別に策定し、非常時における事業活動継続のためにリスクを回避する取り組みを行っています。BCPは定期的に見直しを実施しており、2017年度は17社の事業子会社がBCPの想定対象や対応手順、復旧スケジュールについて見直しを行いました。あわせて、防災関連のマニュアルの改訂や備蓄物品の追加など、実際的な活動に落とし込んだ対策も進めています。
B to Bビジネスを主とするDOWAグループにとって、サプライチェーンの途絶は納入先であるお客様の生産・販売へ与える影響が大きいため、主要なお取引先にはCSR調達を通じて災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関するBCPの策定状況を確認しています。未策定のお取引先には、取り組みの重要性をご説明し、BCP対策の強化をお願いしています。また、大雪や台風などの自然災害の発生時には、本社の調達部門が、地域別のサプライヤーの生産拠点リストを基に生産・出荷への影響について迅速な確認を実施しています。
年1回の全社防災訓練を実施し、ホールディングス、事業会社、事業部の各階層における緊急対策本部の立ち上げ、従業員の安否確認、各緊急対策本部間の被害状況の報告連絡といった初動対応能力の維持・向上を図っています。また、2017年度は従業員とその家族を対象として、スマートフォンを利用した安否コールの導入を開始しました。
企業活動に伴うリスクの早期発見を促し、従業員にとってより安心で快適な職場環境を目指すため、社外弁護士に直接相談できる「DOWA相談デスク」を設けています。通報等に関する秘密保持と通報者が不利益な扱いを受けないことが保証されており、イントラネットやポスター、グループ報などを通じ周知を行っています。
また、お取引先や協力会社とのより健全なパートナーシップを構築するため、これらの社外関係者にもこのDOWA相談デスクの窓口を開放し、お取引先や協力会社の従業員も利用できるようにしています。窓口では、寄せられた相談や意見に関わる秘密を守り、迅速かつ適切に対応しています。
DOWAグループは、2009年より国連が提唱する企業の自主行動原則であるグローバル・コンパクト(UNGC)に参加しています。社会の持続的発展に向けて、グローバル・コンパクトの掲げる「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野における10原則を尊重し、確実に実践していくよう取り組んでいます。
当社のCSR調達方針やガイドラインなどの策定においても、人権の尊重や児童労働の排除など、グローバル・コンパクトの原則を反映させています。DOWAグループはUNGC参加企業で構成するグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの「サプライチェーン分科会」に参加し、最新のCSR動向や、各社の具体的事例を共有すると同時に、課題への取り組みを進めています。
DOWAグループは、国連グローバル・コンパクトの10原則のもと、国籍、人種、民族、宗教、性別、年齢、障がいなどによる不当な差別や児童労働、強制労働を禁じ、腐敗防止に取り組んでいます。人権については、海外事業所を含む事業子会社に毎年アンケート調査を実施し、現状把握に努めています。
近年、世界の紛争地域で採掘される鉱石が、武装勢力の資金となって内戦などを長引かせ、労働者や地域住民に大きな人権侵害を引き起こしていると指摘されています。2010年に成立した米国金融規制改革法では武装勢力の資金源を断つことをねらい、米国株式市場に上場する企業に対し、紛争地域であるコンゴ民主共和国(DRC)およびその隣接国原産の金やスズなど4種類の鉱物の使用状況について情報開示を義務づけました。
DOWAグループでは、責任ある鉱物調達に対応するため、小坂製錬とエコシステムリサイクリングの2社で、紛争鉱物フリー製錬所の認証を取得し、紛争鉱物由来ではないことを第三者が証明した金およびスズを提供しています。