環境DOWAグループは、事業活動が環境に及ぼす影響を認識し、本業を通じた環境・社会への取り組みと、自社事業における環境負荷の低減を経営における重要な課題と位置付け、グループ全体で取り組みを進めています。
環境分野における2017年度の活動状況と、2018年度の計画は以下のとおりです。
環境重点施策 | 課題 | 指標 | 評価 | 主な実績 |
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資源循環の推進 | リサイクル原料の海外集荷強化 | 対前年度増 | △ | 欧州・北米拠点活用による自動車廃触媒集荷の拡大 スクラップ原料の東南アジア・欧州における新規開拓推進 |
貴金属銅製錬向けリサイクル原料集荷量対前年度6%減 | ||||
環境負荷・環境リスク | 大規模排出事業所における 省エネ型設備更新の推進 |
温室効果ガス総排出量 対前年度比1%削減 |
△ | 国内:廃熱利用効率向上などの技術努力を進め、 対前年度比2%削減 |
海外:有害物リスク低減事業の拡大により、 対前年度比58%増 |
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環境保全活動 | 対外向け環境保全講習会の主催 | 3回 | ○ | 9回 |
生物多様性 | 坑廃水処理施設の異常気象・ 自然災害への防災対策強化 |
対策計画の策定 | ○ | 異常気象・自然災害への防災対策強化を含む 3ヵ年計画の策定 |
資源循環の推進 | リサイクル原料の海外集荷強化 | 対前年度増 | |
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環境負荷・環境リスク | 省エネ型設備更新・エネルギー転換の推進 | 大規模排出事業所における温室効果ガス排出量原単位 対前年度比1%削減 |
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環境保全活動 | セミナー講習会によるレベルアップと 環境管理体制の相互巡視 |
8地区 | |
生物多様性 | 鉱山関連サプライヤーの 生物多様性配慮状況の確認 |
取引金額ベース80%以上 |
現在、世界全体で循環型社会の構築が進められています。大量の廃棄物を生み出す経済・社会の構造を見直し、有限な資源を効率良く利用して環境負荷の少ない資源循環を進めていくことは、持続可能な発展のために不可欠と言えます。
しかし、人類が活動を行っていく上で廃棄物は必ず発生するものであり、有害なものは特性に応じた管理をする必要があります。また、適正なリサイクルの過程でも廃棄物は発生するため、人や環境に影響を及ぼさないよう適切に処理することが肝心です。このため、DOWAグループでは「リサイクルの推進」と「廃棄物の適正処理」は一体的に取り組むことが重要だと考えています。
DOWAグループは、国内2拠点・海外3拠点の計5拠点において廃棄物の最終処分事業を展開しています。
民間では国内最大級である270万立方メートルの埋立容量を持つグリーンフィル小坂は、当社のリサイクル施設が多く立地する秋田県小坂町に位置し、電気式の漏水検知システムを導入するなど最新鋭の技術を導入した管理型最終処分場です。2重の遮水構造に加え、保護マットを敷設することで破損に対しても強い構造を持ち、処分場からの浸出水は付属の浸出水処理施設で排水基準に適合するように処理を行った上で放流するなど、環境負荷の低減に努めています。これらの日本で培った技術は、社会インフラを支える存在として途上国の国づくりに貢献しています。
インドネシアのPT.Prasadha Pamunah Limbah Industr(i 以下、PPLi)では、US-EPA(米国環境保護庁)基準に準じた構造の処分場を保有し、インドネシア国内で唯一の有害廃棄物の最終処分場として、全土から廃棄物の収集・運搬を行い、受け入れています。定期的な地下水、表層水、浸出水、最終放流水などのモニタリングの実施に加え、埋め立て完了後も、30年間にわたり同等の管理を約束しています。また、行政、教育機関、地域、顧客から、PPLiの処理技術やノウハウについての相談や教育に関する依頼も多く、ステークホルダーに対する環境技術の普及・啓発にも積極的に取り組んでいます。
当社は長年リサイクル技術の向上に努め、金属の再資源化を通して循環型社会の構築に取り組んでいます。しかし、現実には、再使用も再生利用もできない廃棄物も存在します。廃棄物の焼却施設や最終処分場は敬遠されがちですが、設置できなくなれば廃棄物の行き先は無くなり、公衆衛生は保障されないことになります。技術的に安全な施設を整備し、適切な維持管理を行い、住民とのコミュニケーションを十分に行う廃棄物処理事業は、社会にとって重要な役割を担っていると考えています。
最終処分場は資源循環を土台で支える施設です。DOWAグループは、廃棄物の処理技術を高め、安全・安心を保証する信頼性を兼ね備えた、社会に必要とされる最終処分場の整備を続けて参ります。