〈 連結売上高・経常利益 〉
中国やアジアの新興国などの経済の成長に伴う需要拡大に加え、国内では政府の景気対策の効果もあり、自動車やIT(情報技術)関連製品の需要が比較的堅調に推移しました。また、金・銀・銅の価格が歴史的な高値圏まで上昇し、亜鉛価格も堅調に推移しました。一方、為替は一段と円高が進行しました。東日本大震災では直接的な重大被害はありませんでしたが、停電などによる影響を受けました。
ひきつづき生産性の向上を進めるとともに、市場のニーズの変化や需要の回復をとらえて新製品を上市するなど的確に対応した結果、各部門増益となり、連結経常利益は前期比69%増の234億円を達成しました。
環境保全のためにDOWAグループが取り組んだ内容とその成果を定量的に把握し、評価することを目的に、環境会計の集計を行っています。環境への配慮のために用いた費用(環境コスト)と循環資源の有価売却収入について集計しました。
本年度は、環境コストに加え、環境改善効果の推計をおこなっているものについては見込まれる環境改善量もあわせて調査しました。
環境コスト
2010年度の環境コストのうち費用額は総計4,939百万円、投資額は総計1,108百万円となっています。
大分類 | 中分類 | 主な費用項目 | 2010年度に支出 した費用と減価 償却費(百万円) |
主な投資項目 | 2010年度新 規固定資産計 上額 (百万円) |
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事業場内コスト | 公害防止コスト | 中和資材購入、 集塵設備維持、 排水分析など |
2,413 | 排ガス設備設置、 除害設備新設、 バグフィルタ本体更新、 排水処理施設増設など |
860 |
地球環境保全コスト | インバータ導入償却、 省エネ炉導入償却、 スクリューコンプレッサ 導入償却など |
126 | 太陽光発電施設設置、 冷暖房設備更新など |
121 | |
資源循環コスト | ドラム缶再生、 ダスト重金属回収、 リサイクル運搬、 産業廃棄物処分など |
1,825 | ドラム缶再生設備、 磁力選別機増設、 鉄スクラップ回収設備、 廃プラ破砕機購入など |
125 | |
上・下流コスト | 上・下流コスト | グリーン購入差額コスト、 梱包資材再利用コストなど |
21 | ||
管理活動コスト | 管理活動コスト | ISO関連、作業環境測定など | 315 | − | 2 |
研究開発コスト | 研究開発コスト | 半導体材料開発など | 165 | ||
社会活動コスト | 社会活動コスト | 協会費、松食い虫対策など | 70 | ||
総計 | 環境損傷対応コスト | 災害復旧工事など | 5 | ||
環境損傷対応コスト | 4,939 | 1,108 |
環境改善効果を見込んでいる 主な取り組み内容 |
年間推計環境改善量 |
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スクリューコンプレッサ導入 高効率照明器具導入 太陽光発電設備の設置 昇温予約タイマー 雨水利用 |
200 MWh 20,000 kWh 10,000 kg-CO2 39,000 kWh 200 m3 |
循環資源の有価売却収入
金属・スクラップ類や金属を含む水処理沈殿物などをリサイクル原料として売却したことによる収入は1,280百万円でした。
主な有価売却物 | 数量[千t] | 売却収入 [百万円] | |
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国内 | 鉄くず、銅線、アルミ、銀、パラジウム溶液、廃ドラム缶など | 60 |
1,240 |
海外 | 鉄スクラップ、段ボール、木くずなど | 2 | 40 |
合計 | 62 | 1,280 |