特集1 DOWAグループのハーモニー DOWAグループはこんな会社です
天然資源から有益な金属を取り出す「製錬事業」、取り出した金属に付加価値を加える「金属加工事業」や「熱処理事業」、こうして生まれた金属材料を高機能化する「電子材料事業」、さらに使用後には無害化し、再利用可能なものは回収・再資源化する「環境・リサイクル事業」――
このように、当社の事業は金属という資源を循環させるサイクルを描いています。
近年では国内に止まらず、東アジアなど海外へも事業領域を拡大しており、今後はグローバルな循環型社会の構築に貢献していきます。
DOWAの歴史は、1884(明治17)年、創業者である藤田傳三郎が、明治政府より官営小坂鉱山(秋田県鹿角郡)の払い下げを受けたことに始まります。同地で採掘される「黒鉱」と呼ばれる鉱石には、金銀が豊富に含まれているものの、さまざまな元素が複雑に入り交じっているため、有効利用が困難とされていました。当社はこの困難な課題に挑戦することで、金属元素の回収・製錬について世界でも有数の技術を得るに至りました。こうして培われた独自の技術が、現在の多彩な事業活動を支える基盤となっているのです。
現在では、この製錬事業で培った独自の技術・ノウハウを応用して、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理と、広範な分野でビジネスを展開。2006年10月からは、これらの事業を展開する事業会社5社と、各事業の活動を支える2つの事業サポート会社を、DOWAホールディングスが統括するDOWAグループへと進化を遂げています。
□ DOWAグループの構成
DOWAグループの関係会社は、国内57社、海外16社に広がっています※。
DOWAの海外展開は、1950年代からの海外20カ国以上での鉱山開発に始まり、市場やユーザーの状況変化に対応して拡充を進めてきています。海外鉱山は現在、カナダとメキシコで操業しています。1989年からアメリカ・ニューヨーク市では、取引先の拡大や研究開発を進めています。また1997年からはオハイオ州で自動車部品の熱処理加工を行っています。その後2000年代からは、経済成長著しい中国や東南アジアへ、環境・リサイクル事業や金属加工事業、熱処理事業などで着実に進出を進めるとともに、ヨーロッパにも事務所を開設するなど、新エネルギー・省電力ニーズに対応した成長分野の製品における新規拡販にも取り組んでいます。
※2011年3月末現在、連結子会社および持分法適用会社数を示す。