DOWAグループの事業活動は、金属素材や半導体を作る「製品製造事業」と、廃棄物のリサイクルや処理、土壌汚染の浄化を中心とした「環境事業」の2つに分けて考えることができます。
「製品製造事業」で発生した廃棄物の多くは、「環境事業」でリサイクルを行い原料として活用しています。また、「環境事業」の廃棄物処理では、焼却時に発生する熱を無駄なく有効利用し、蒸気や電力として回収して、他のプロセスのエネルギーとして活用しています。
このようにグループ内で物質やエネルギーを相互活用するなど、資源の循環を意識して事業活動を行っています。
東日本大震災とマテリアルフローへの影響
DOWA CSR報告書2011作成のための、CSR・環境取り組み調査は、東日本大震災発生後の2011年3月下旬にDOWAグループ各事業所に調査票を配布する形式で実施しました。
2010年度の各事業所におけるマテリアルフローが2009年度あるいは2008年度のマテリアルフローに比して大きな変化があった項目で、事業所が把握している理由として震災について言及したものは合計4件ありました。
●東日本大震災の影響により設備立ち上げ回数が2回増えたことにともなう硅砂の使用量増加
●震災後の業務量の変化にともなう、軽油(運輸)の使用量減少
●震災による操業停止にともなう、工水の使用量減少
●震災による操業停止にともなう、年間総排水量の減少
このような震災の直接的な影響以外にも本年度の結果には間接的にマテリアルフローに影響を及ぼしている要因が含まれます。
2010年度のマテリアルフロー変動概況
各事業所では省エネ・排出削減に向けた各種取り組みを継続している一方、生産量や廃棄物処理量なども経済情勢の変化等を受け絶え間なく変動しています。
2010年度のマテリアルフローにおいて2009年度比でとくに大きな変動があった項目としては、年間総大気排出量、購入電力量、原材料バージン素材(鉱石)、受入産業廃棄物(廃アルカリ)が増加、その他廃棄物系原材料(土壌)、マテリアルリサイクル(土壌)、製品その他(残基銅)が減少しました。これは、景況の回復による生産量の増加の一方で、汚染土壌処理量の減少などの要因によるものです。具体的な数量については次ページ以降をご覧ください。