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DOWAエレクトロニクス

代表取締役社長 大塚 晃

DOWAエレクトロニクスは、これまで培ってきた薄膜技術、結晶成長技術、微粒子作製技術および粒子形状制御技術を活かし、半導体、導電性、電池、磁性機能を有する材料を開発し、市場のニーズにお応えしています。

その中で、世界トップシェアを誇る製品の一つに「LED(発光ダイオード)」があります。消費電力が少なく長寿命、さらに、応答速度も速い等の優れた特徴を有し、表示・伝送・センサーなど、さまざまな用途で用いられています。近年、スマートフォン用の近接センサーとして需要が急増し、それに対応すべく生産体制の増強を行っております。

また、太陽電池の市場も堅調に推移しており、電極用ペースト材に使用される「球状銀粉」についても需要動向を見極めながら増設の計画を進めております。新製品の開発では、「排ガス浄化触媒」や「燃料電池用材料」などのテーマに引き続き取り組んでまいります。

これらの高い技術力に支えられた製品群を基盤に、幅広い領域で業界トップを目指すとともに、新規開発品の事業化へ積極的な投資を行い、その成果を市場に提供することで、省エネ、CO2削減等環境にやさしい社会づくりに貢献したいと考えております。

DOWAセミコンダクター秋田株式会社

所在地:〒011-0911 秋田県秋田市飯島字砂田1
従業員:266人(2013.3末)

半導体製造の循環型工場

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DOWAセミコンダクター秋田は1993年に設立された半導体製品の製造工場で、高純度ガリウム・ガリウムひ素ウェハ・LED・窒化物系HEMTエピ基板などを製造しています。

高純度ガリウムは、秋田製錬の亜鉛製錬副産物や、自社内でガリウムをリサイクル利用して精製、ガリウムひ素ウェハはガリウム工場で精製された高純度ガリウムを利用して製造、LEDは基板工場で製造されたウェハをチップ加工して製造しています。当社はこのように、自社工程内で製品化と加工を行うことができる循環型工場です。

当社で製造されたLEDは、血液センサやがん治療などの最先端医療機器、最新のインクジェットプリンタ用センサなど、今後大きな成長が期待される分野に活用されています。また、2007年に立ち上げた窒化物工場では、新しい半導体材料として期待されている窒化物系HEMTエピ基板を製造しています。

次世代材料 窒化物系HEMTエピ基板

窒化物系HEMTエピ基板は、地球温暖化対策や環境意識の高まりから、エネルギーのさらなる効率化が求められるパワー半導体デバイス(電力の制御や供給を行う半導体)の次世代材料として期待されています。

現在主流のシリコン系と比べ高電圧に耐えられる上、電気抵抗が低く電力損失を1/3に抑えられるなど、省エネ効果を格段に高めることが可能です。当社のHEMTエピ基板は、耐圧が1,000ボルトと世界トップクラスの性能を有しており、写真動作時の発熱が少ないためシリコン系で必要となる放熱機構も簡素化でき、デバイスの小型化にも貢献します。

用途はパソコンやエアコン、冷蔵庫などのインバーターを搭載する家電、ハイブリッドカー、電気自動車などのパワー半導体から、携帯電話の基地局アンテナ向けなどの高周波用まで幅広く、当社は半導体材料の提供を通じて、省エネルギー社会に貢献していきたいと考えています。

VOICE窒化物エピ製造部 製造課
吉澤 康平

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窒化物系HEMTエピ基板は、さらなる電子機器の小型化、省エネ化が可能という時代のニーズにあった夢のある製品だと自信を持っています。製造装置の管理や導入、立上等を担当している中で、学ばなければならないことが多く毎日が勉強ですが、周囲の方々に助けていただきながら着実に成長できていると実感しています。窒化物エピ製造部の一員として、この製品を世の中に広く普及させられるよう、生産性および品質の向上にスピード感を持って取り組んでいきます。

空冷チラー導入などで省エネ対策強化

当社の製品は電子機器の省エネに貢献する一方で、その生産には大きな電力が必要とされます。そのため、高効率機器の導入や設備の省エネに積極的に取り組んでいます。

例えばLED工場では、温調機器設備に冷水を供給するターボ冷凍機の電力消費量が約1割強、窒化物工場では空調設備の使用電力が全体の約半分を占めており、これらの省エネを図るため、LED工場では昨年11月より空冷チラー(液体などの循環によって温度を一定に保つための装置)に切り替えました。窒化物工場では既存の空冷チラーの効率向上のために、自社開発したミストの散水による冷却機能を備えた設備を導入しました。写真これらの導入によりLED工場装置の電力消費量は従来に比べ約25%減少、窒化物工場では特に夏場の電力削減に大きな効果を上げ、ピーク時でおよそ20,000kwh/月を削減しました。また、半導体化合物の製造プロセスの排ガスをクリーンにするアンモニア除害装置を、従来の電気加熱式より効率の良いLPGガス燃焼式の最新機器に切り替えることで、約26,000kwh/月の電力を削減(合わせて約20%の削減)しました。

VOICE窒化物エピ製造部 製造課長
大鹿 嘉和

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半導体工場は基本としてクリーンルーム内で操業するために専用の空調設備を使用しますが、原則停止することができません。当社はエネルギー管理指定工場でもあり、これら空調設備、製造設備の電力削減は、生産エネルギーの低減とともに昨今の電力事情においても対応力を高め、安定操業にもつながります。当社全体としても引き続き、トータルエネルギーマネジメントを図り、環境負荷低減に努めてまいります。

2012年度トピックス:インターンシップの受け入れ

DOWAセミコンダクター秋田では、産学連携による人材育成や地域貢献活動の一環として、毎年インターンシップによる地域の学生への就業体験の提供を行っています。

写真2012年度は東北大学、秋田大学、秋田工業高等専門学校から4名の学生が参加し、約2週間、LED工場、基板工場、窒化物工場などでさまざまな課題に取り組みました。短い期間ではありますが、実際のものづくりの現場を体験することが、将来の進路決定や職業選択のために役立つ機会となるよう、今後も教育を通じた社会貢献活動の一環として推進していきたいと考えています。

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