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経済・経営パフォーマンス/その他経済性報告・環境会計

経済性報告・環境会計 環境配慮経営の社会的側面に関する状況

重要な社会課題に対応するための取り組み状況などについては、「社会性パフォーマンス」をご覧ください。

環境配慮経営の経済的側面に関する状況

財務ハイライト

2012年度、DOWAグループは、アジア地域での廃棄物・リサイクル関連および自動車関連市場の拡大に対し事業展開を積極的に進め、また新たな金属の回収強化や多機能携帯端末市場向けの拡販を図るなど、事業環境の変化に対応してきました。相場環境については、金属価格では、金融情勢の影響を受け上昇と下落を繰り返しましたが、総じて低調に推移しました。為替は、円高基調が継続しましたが、年末以降は円安が進みました。
環境・リサイクル部門では、低濃度PCB廃棄物処理、東南アジアの廃棄物処理事業が順調に推移しました。製錬部門では、前年度震災の影響で操業を停止した各製錬所が順調に稼働し、スズ・アンチモンなど新金属の回収強化などを進めました。電子材料部門では、新製品の拡販や新規顧客の獲得に努めました。金属加工部門では、多機能携帯端末向けの需要の拡大を取り込みました。熱処理部門では、エネルギーコストが上昇する中、国内では生産体制の集約を進め、海外では需要拡大に対応した能力増強を行い、競争力強化に取り組みました。
これらの結果、当期の連結売上高は前期比7%増の4,193億円となり、連結経常利益は、同30%増の272億円となりました。

グラフ

事業者における経済的側面の状況

東日本大震災後の国内原子力発電所の稼動停止などによるエネルギーコストの上昇への対応として、各事業所では昨年度に引き続き節電や省エネ対策の強化、廃棄物発生量の抑制などの諸施策に取り組んでいます。環境会計により集計された、2012年度の環境配慮等の取り組みコスト(環境コスト)および循環資源の有価売却収入では、前年度に比べ環境配慮等の取り組みコストが減少した一方、有価売却収入は増加しています。環境・リサイクル部門においては、国内の産業廃棄物発生量が低調な中、難処理廃棄物の処理メニュー拡大を進めており、また各事業所では排出廃棄物の有価物への転換や、回収有価物の付加価値向上を図っています。

大分類 中分類 主な費用項目

2012年度に
支出した費用と
減価償却費
(百万円)

主な投資項目

2012年度
新規固定

資産計上額
(百万円)

事業場内
コスト
公害防止
コスト
中和資材購入、集塵設備維持、排ガス分析
など
2,439 尿素SCR装着車両購入、バグフィルタろ布、排水処理設備工事
など
344
地球環境
保全コスト
フロン処理委託費、LED照明導入
など
159 高効率コンプレッサ導入、高機能断熱材導入 など 260
資源循環
コスト
ばいじんリサイクル委託、廃油処理委託
など
1,797 コンベア改造 など 102
上・下流コスト パレット返却運賃 など梱包資材再利用コスト 19 - 3
管理活動コスト ISO関連、作業環境測定 など 375 自動測定装置更新 など 12
研究開発コスト 工程の開発・合理化
など
315
社会活動コスト 協会費 など 64
環境損傷対応コスト 集積場覆土植栽引当金 27
総計 5,194 722

環境配慮等の取り組みコスト

2012年度の環境コストのうち費用額は総計5,194百万円、投資額は総計722百万円となっています。

環境改善効果を見込んでいる主な取り組み内容 年間推計環境改善量

空冷チラーの導入等空調省エネ

高圧モーターのインバータ制御化

炉の断熱性向上

1,596MWh

533MWh

45kL原油換算

循環資源の有価売却収入

金属・スクラップ類や金属を含む水処理沈殿物などをリサイクル原料として売却したことによる収入は、7,526百万円でした。

主な有価売却物 数量(千t) 売却収入(百万円)
国 内 金、銀、銅、鉄くず など 61 7,140
海 外 鉄、アルミ、銅 など 15 386

社会における経済的側面の状況

DOWAグループでは、資源のリサイクルや、廃棄物を適正処理することによる無害化・安定化、フロンや代替フロン類の破壊処理などの環境・リサイクル事業を行っています。
これらの活動が社会や環境に与えている効果については、外部経済効果(External Economical Benefit Evaluation=EEBE®)※1という考え方を使って評価しています。

EEBE®合計:1,197億円

廃棄物の処理による外部経済効果:260億円

2012年度に受入が増加した主な品目は、燃えがら(前年度比35千トン増)、汚泥(同32千トン増)、特管PCB汚染物(同5千トン増)であり、前年度同様無害化による外部経済効果が減容化による効果より大きいという結果となりました。

金属リサイクルによる外部経済効果:931億円

金属リサイクルによる外部経済効果については、回収された金属自体の価値(LME:ロンドン金属取引所価格に基づく国際相場価格)と、金属を含有するリサイクル原料使用を通じた廃棄物の減容による埋立処分場延命効果の両方を合わせて評価しました。亜鉛回収量が前年度比4千トン増加したことに加え、2013年3月末時点での円高やパラジウム、金などの値上がりにより、金属リサイクルによる効果は前年度より増加しました。

フロン・代替フロンの破壊による外部経済効果:6.2億円

フロン・代替フロンの破壊によるオゾン層破壊の防止と温暖化防止の効果の評価については、被害算定型環境影響評価手法LIME※2を用いて換算しました。ルームエアコンや冷凍食品貯蔵庫などの冷媒として用いられたHCFC-22の処理量が増えたものの、カーエアコン用冷媒などに用いられた代替フロンHFC-134aの処理量が減少したことにより、外部経済効果は前年度より減少しました。

※1 EEBE®:大手監査法人、大手企業、大学教授らが参加して結成された中間法人『クラブ・エコファクチュア』で研究された、企業による環境活動を金額換算して評価するための数量的指標です。

※2 LIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling):産業技術総合研究所などにより開発された、物質のライフサイクルを考慮した人間健康と社会資本への影響評価指標です。

※3 フロン・代替フロンの破壊に関するEEBE®については、LIME係数が設定されているフロン類を対象に、温暖化防止とオゾン層の破壊防止効果について算定しました。

※4 EEBE®の算定に当たっては、国内事業所の活動に由来するものを対象としています。

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