DOWA CSR報告書2016

DOWAのCSR
DOWAの事業と社会課題

2015年9月、国連「持続可能な開発サミット」にて、「持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals(SDGs)」が採択されました。このSDGsには、2030年までに地球規模で解決すべき17の目標と169のターゲットが明記されています。この持続可能な開発目標を2030年までに達成するために、企業を含む世界中のあらゆるセクターにおいて行動することが求められています

資源の有効利用に関する社会課題

SDGsのゴール・ターゲットとDOWAの取り組み

SDGsの17の目標において「資源の有効利用」は、金属資源を利用することで成り立っている当社の事業にとって最も身近な領域であり、重要な社会課題です。

目標12. 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じて化学物質やすべての廃棄物の環境に配慮した管理を達成し、大気、水、土壌への排出を大幅に削減することにより、ヒトの健康や環境への悪影響を最小限に留める。
12.5 2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する。

天然資源である鉱石は、消費し続ければいずれは枯渇します。リサイクルは資源の有効利用における一つの解決策ですが、金属を効率的に回収する技術、その過程で発生する有害物や非有用物を安全に処理するための技術とインフラも必要です。同時に、効率的にリサイクル原料を集荷する社会システムの構築、多種多様な原料を処理する手間やコストなど、リサイクルにも解決すべき技術的・経済的な課題が含まれています。DOWAグループは、このような課題と向き合いながら、持続可能な金属資源の利用に取り組んでいます。

DOWAグループのアプローチの例

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持続可能な金属資源の利用に向けて

資源循環におけるバリューチェーンの最適化

DOWAグループでは、貴金属、家電、自動車、使用済み小型家電など幅広いリサイクル事業を展開しています。単一のリサイクルを断片的なチェーンで行うのではなく、保有設備の特性や拠点の地理的状況などを踏まえ工程を組み合わせることで資源効率性を高めています。また、廃棄物処理や運輸、研究所などの部門と連携して、環境保全や安全性と両立させながら、資源の有効活用に向けて取り組みを進めています。さらに、必要に応じて異なるセクターや社外パートナーと連携し、バリューチェーンの最適化に取り組んでいます。

国際資源循環の推進

今後、世界全体で資源の持続的利用を考えていくなかで、環境負荷の低減と資源効率の最大化を図るために、国境を越えて連携することも必要とされます。日本は、環境負荷を減らし資源の効率的な利用を進めていく「3R」に早くから取り組んできた国です。DOWAグループでは、日本で確立したリサイクル技術やインフラ、知識、経験、人材などのリソースを通じて、中国、シンガポール、タイ、インドネシアにおいて、家電リサイクル、金属リサイクル、廃棄物処理事業を展開しています。また、米国やチェコのサンプリング工場を通じリサイクル原料の海外集荷を行い、国内の製錬所でレアメタルの回収を行うなど、環境保全と両立するグローバルな資源循環システムの構築を進めています。

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