DOWA CSR報告書2016

Governance企業統治

コーポレート・ガバナンス体制

DOWAグループでは、健全かつ効率的に組織を運営すると同時に、意思決定の迅速化と経営の効率化のため、執行役員制を採用するとともに、持株会社制を導入して事業部門を子会社に分離しています。また「DOWAグループの価値観と行動規範」に則り、健全な企業経営を保証し、経営の品質と効率を高めるとともに、透明性の高い開かれた経営の実現に努めています。

体制図

組織形態 監査役設置会社
取締役の人数
うち、社外取締役の人数
7名(定款上の員数:13名)
2名(うち1名を独立役員に指定)
定款上の取締役の任期 1年
取締役会の議長 社長
監査役の人数
うち、社外監査役の人数
4名(定款上の員数:5名)
3名

2016年3月現在

原則として、取締役会並びに執行役員を含む経営執行会議を毎月1回開催し、情報共有化を図っています。各監査役は、取締役の業務執行に関する監査を実施し、原則として毎月1回開催する監査役会に報告して監査の実効性確保と効率化を図っています。

コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示等については、当社のコーポレート・ガバナンスに関する報告書をご覧ください。(和文のみ)

http://www.dowa.co.jp/jp/about_dowa/governance.html


内部統制活動

DOWAグループではコーポレート・ガバナンスの強化を図るため、ホールディングス(持株会社)とグループ各社が内部統制の基本方針や基本システムを共有するとともに、具体的な活動において各社ごとの独自性を活かせるようにすることで、持株会社制に合わせた効果的かつ効率的な内部統制を図っています。

内部監査

DOWAグループが定める内部監査規則に基づく内部監査は、会計監査や法務監査、安全環境監査など企業活動全般に関わり、CSR部門および各関連部門とグループ各社の連携のもと、実施しています。また、監査結果については取締役、監査役および関係部署に報告しています。
2015年度は、内部統制の強化の一環として国内7拠点で説明会、14社で内部監査を実施し、海外は北米・東南アジア・中国の15社において内部監査を実施しました。

内部統制システムに関する基本方針およびその運用状況については、当社のアニュアルレポートをご覧ください。

http://www.dowa.co.jp/jp/ir/library/annual.html


リスクマネジメント

DOWAグループでは、企業理念の実現、経営計画を達成する上で阻害要因となるリスクを適切に管理し、社会的責任を果たし、かつ持続可能な企業価値の向上に資することを目的として、リスクマネジメントに取り組んでいます。グループを取り巻くリスクのうち、「事業リスク」は取締役会等が、「CSRリスク」はCSR部門が各部門と連携して対応します。

事業継続計画(BCP)の取り組み

DOWAグループでは、大規模地震や台風、集中豪雨による洪水などの自然災害に対応する事業継続計画(BCP)を地域・事業所別に策定し、非常時における事業活動継続のためにリスクを回避する取り組みを行っています。定期的に BCPの見直しを実施しており、2015年度は24社の事業子会社がBCPの想定対象や対策について見直しを行いました。
また、年1回、防災訓練を実施し、全社、事業会社、事業部の各階層における緊急対策本部の立ち上げ、従業員の安否確認、各緊急対策本部間の被害状況の報告連絡といった初動対応能力の維持・向上を図っています。

サプライチェーンにおけるBCP策定調査

B to Bビジネスを主とするDOWAグループにとって、サプライチェーンの途絶は納入先であるお客様の生産・販売へ与える影響が大きいため、CSR調達を通じて、主要なお取引先には災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関する BCPの策定状況を確認しています。未策定のお取引先には、取り組みの重要性をご説明し、BCP対策の強化をお願いしています。

相談窓口

企業活動に伴うリスクの早期発見を促し、従業員にとってより安心で快適な職場環境を目指すため、顧問弁護士に直接相談できる「DOWA相談デスク」を設けています。通報等に関する秘密保持と通報者が不利益な扱いを受けないことが保証されており、イントラネットやポスターなどを通じ周知しています。また、お取引先や協力会社とのより健全なパートナーシップを構築するため、社外にもこのDOWA相談デスクの窓口を開放し、お取引先や協力会社の従業員も利用できるようにしています。窓口では、寄せられた相談や意見に関わる秘密を守り、迅速かつ適切に対応しています。


政府・自治体・産業界との関わり

DOWAグループは、政府や産業団体における審議会やフォーラムに参加し、社会課題の解決に向けた提案や施策の検討、法制度の制定・見直し、国際的な連携など、公共政策に関する活動を推進しています。

参画例

DOWA ホールディングス代表取締役社長 山田 政雄

2013年2月~ 環境省 中央環境審議会 委員
2012年12月~ (社)日本経済団体連合会 環境安全委員会 廃棄物・リサイクル部会 部会長

日本および各国の政府機関が開催する国際会議などに積極的に参加し、産業界の立場から各種政策策定に貢献しています。


国際機関・国際コンソーシアムへの参画

DOWAグループは、2009年より国連が提唱する企業の自主行動原則である「グローバル・コンパクト」に参加しています。社会の持続的発展に向けて、グローバル・コンパクトの掲げる「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野における10原則を尊重し、確実に実践していくよう取り組んでいます。
CSR調達方針やガイドラインなどの策定においても、人権の尊重や児童労働の排除など、グローバル・コンパクトの原則を反映させています。

グローバル・コンパクトの10原則

人権
  1. 企業はその影響の及ぶ範囲内で国際的に宣言されている人権の擁護を支持し、尊重する。
  2. 人権侵害に加担しない。
労働
  1. 組合結成の自由と団体交渉の権利を実効あるものにする。
  2. あらゆる形態の強制労働を排除する。
  3. 児童労働を実効的に廃止する。
  4. 雇用と職業に関する差別を撤廃する。
環境
  1. 環境問題の予防的なアプローチを支持する。
  2. 環境に関して一層の責任を担うためのイニシアチブをとる。
  3. 環境にやさしい技術の開発と普及を促進する。
腐敗防止
  1. 強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止するために取り組む。

〈 グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク 〉 http://www.ungcjn.org


コンプライアンス

DOWAグループにおいて、「遵法」については、企業経営の基本を成すものと位置付け、「DOWAグループの価値観と行動規範」に基づき、内部統制の強化や教育を核とした対策に取り組んでいます。
また、DOWAグループ各社が毎年の内部監査(法令監査)に対応することにより、コンプライアンスに対する意識の向上を図っています。


人権への取り組み、腐敗防止

DOWAグループは、国連グローバル・コンパクトの10原則のもと、国籍、人種、民族、宗教、性別、年齢、障がいなどによる不当な差別や児童労働、強制労働を禁じ、腐敗防止に取り組んでいます。人権の配慮状況については、海外事業所を含む事業子会社に対し毎年アンケート調査を実施し、現状把握に努めています。
2015年度は、インドの事業子会社4工場を訪問し、現地視察とヒヤリングを実施しました。いずれも人権への取り組みを進めており、とくに児童労働についてはその雇用を禁止する方針に基づき、実際に行われていないことを確認しました。
また、腐敗防止に関しては、内部統制ハンドブック説明会において、事例を用いた説明や腐敗防止策をグループワークで議論する取り組みを実施しました。

人権への取り組み、腐敗防止

TOPICS紛争鉱物フリー製錬所認証取得

紛争鉱物とは、コンゴ民主共和国とその周辺国から産出される金、タンタル、スズ、タングステンのうち、当地における武装勢力や反政府組織の資金源になっているものを指しています。アメリカでは「ウォールストリート改革および消費者保護法」(通称ドッド・フランク法)において、米国上場企業は自社商品に人権侵害等の不正に関わる「紛争鉱物」を含むか否かを米国証券取引委員会に報告することが規定されています。

数ある製品の部品や部材に含まれる鉱物を、最上流の鉱山まで辿る調査は簡単ではありません。このため、電子業界のCSR推進団体であるEICCとICTセクターで持続可能性を推進するGeSIでは、最も上流に近い製錬所を監査し「紛争フリー製錬」として認定するプログラム(CFS認証制度)を実施しています。

紛争鉱物フリー製錬所認証取得

DOWAグループでは、複合リサイクル製錬所である小坂製錬で2012年に金、2014年にスズの認証を、貴金属リサイクル(二次精錬)を行うエコシステムリサイクリングでは2013年に金のCFS認証を取得して以来、毎年認証を更新し続けています。CFS認証のプログラムでは、独立した第三者機関が、製錬/精製業者の調達材料の分析プロセス、調達先の決定方法、リサイクル材料の定義の適切性などを現地監査と文書確認を通じて検証し、取り扱うすべての鉱石・原料が紛争フリーの鉱山、採掘場から採取されたものか、もしくはリサイクルに由来する材料かどうかを判断します。
当社は、今後もお客様に安心して人権侵害のおそれのない紛争フリーの金とスズをご利用いただけるよう、リスク管理や取引先のモニタリング、社内教育などを推進し、CFS認証維持に努めます。

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