素材メーカーであるDOWAグループは、サプライヤーの立場で自社のCSRを推進する一方、お取引先に対してもCSRの取り組みを要請しています。当社のCSR調達の特徴は、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)といった従来型の調達に「S(Sustainability:持続可能性)」を加えたことにあります。この「S」は、人権への配慮や環境保全などの社会的責任に対する取り組みを意味しています。
2014年に策定した「CSR調達ガイドライン」は、調達部門を通じてお取引先に配布すると同時に、グループ内での理解と浸透を図るため、各地域の調達担当者や事業会社を訪問し、CSR調達を巡る状況や当社方針の考え方などについて説明を行っています。また、海外事業所への周知を目的として、英語・中国語・タイ語でも発行しています。
2015年度は、CSR調達ガイドラインに基づくセルフチェックリストを作成し、お取引先の自己診断を開始しました。資材の重要度、購買金額などから選定した主要取引先107社に配布し、約90%を回収しました。評価結果については、フィードバックレポートを送付し、取り組みが不十分と考えられる項目があるお取引先には、より積極的に取り組んでいただけるよう要請しました。
また、事業上特に重要なお取引先へは訪問確認を実施しました。2015年度は2社を訪問し、セルフチェックの結果をもとにヒヤリング、書類確認、工場視察を行いました。この結果、保護具着用や救急用品の管理など「安全衛生」に関わる指摘事項がいくつか見受けられ、改善をお願いしました。訪問確認は、CSR部門、調達部門で構成した監査チームが行いますが、対象となる資材を使用する当社工場の担当者もチームに参加することで、お取引先との信頼関係の強化とCSR調達活動のさらなる社内浸透を図っています。
今後も年1回のセルフチェック調査と訪問確認を継続し、評価のフィードバックとサポートなど、お取引先とのコミュニケーションを図り、サプライチェーン全体でのCSRの取り組みを推進します。
また、新規のお取引先には「CSR調達方針」への理解と実践をお願いしていくとともに、お取引先の方々に当社のCSR調達活動が理解と信頼を得られるよう、自社のCSRレベルの向上にも取り組みます。2016年度は、セルフチェックリストの回収率向上のためのアンケートシート改訂や監査の手順化などを行い確実な運用を進めていきます。