マングローブは熱帯・亜熱帯の海水と淡水が混じりあう汽水域に生育する植物の総称で、プランクトン、カニ、エビなどが豊富に育ち、それらを餌にする鳥や魚が集まる多様な生物の生息地です。また、台風などによる高波や津波の影響を和らげる緩衝帯になり、最近ではCO2の吸収・固定に重要な役割を果たしていることも知られるようになりました。しかし、東南アジアのマングローブ林は急速な減少傾向にあり、とくにタイでは最近20~30年の間に、国内の半分近い面積のマングローブ林がエビの養殖池に姿を変えたと言われています。マングローブ林の多様な機能が広く知られるようになった今、その回復が求められています。
今回の植林活動は、地域の子供たちに体験を通じて環境の大切さを学んでもらうために実施したもので、地元のBan Bowin Schoolに呼びかけ、生徒173名と教師7名、また地域住民13名がボランティアとして参加しました。当日はサタヒップ海岸の管理者である海軍からマングローブについてのオリエンテーションを受け、ESBECの従業員と協力し合い300本の植林を行いました。また、近傍の自然史博物館(Thai Island And Sea Natural History Museum)を訪れ、サタヒップの海洋生物についても詳しく学びました。この植林体験を通じ、マングローブや生物多様性について子供たちの理解が深まることを期待しています。
社会の持続的な発展には、未来を担う子供たちが環境について正しい知識を持ち、その意識を高めていくことが大切です。
ESBECでは、事業活動が地球環境・地域社会に影響を与えることを認識し、「環境」「地域」、そして「子供」を対象とした CSR活動に力を入れています。定期的に今回の植林のような体験学習を実施しているほか、色分けした分別ごみ箱を地元の小学校に寄付して廃棄物の分別やリサイクルの重要性を伝えたり、身近な環境活動に取り組めるようエコバッグ作りのワークショップを行うなど、子供たちのエコマインドを高めるための環境教育に積極的に取り組んでいます。