HOME >> 外部経済効果EEBE(R)

外部経済効果EEBE(R)

DOWAグループの環境事業では、資源のリサイクルや、廃棄物を適正処理することによる無害化・安定化により、環境の保全に貢献しています。また、廃棄物処理で発生する熱を利用して、オゾン層破壊や地球温暖化をもたらすフロンや代替フロン類などの破壊処理も行っています。

これらの活動が社会や環境に与えている効果については、外部経済効果(External Economical Benefit Evaluation=EEBE(R))※1という考え方を使って評価しました。

合計668億円


廃棄物の処理による外部経済効果:227億円

廃棄物の焼却処理による容積の減少(減容効果)、埋立処分場の延命効果、有害廃棄物の無害化・安定化による経済的効果についてEEBE(R)を算出しました。

効果 産業廃棄物受入量 埋立最終処分量 社会的コスト単位 EEBE(R)
減容化

非特別管理産業
廃棄物

556千t/年

焼却灰

210千t/年

管理型最終処理
施設の単価

15,000円/t

(非特別管理産業廃棄物- 焼却灰)
× 管理型最終処理施設の単価

5,190 百万円/年

無害化

特別管理産業
廃棄物

123千t/年

ばいじん

35.5千t/年

遮断型最終処理
施設の単価

200,000円/t

(特別管理産業廃棄物- ばいじん)
× 遮断型最終処理施設の単価

17,495 百万円/年

      合計 22,685百万円/年

金属リサイクルによる外部経済効果:437億円

廃棄物から金属資源をリサイクルすることの経済効果については、回収された金属自体の価値(国際相場価格としてLME:ロンドン金属取引所価格を使用)と金属を含んでいた廃棄物の減容による埋立処 分場延命効果の両方を合わせて評価しました。

効果 全リサイクル
原料受入量
埋立最終処分量 社会的コスト単位 EEBE(R)
減容化



189千t/年



2.6千t/年

管理型最終処理
施設の単価

15,000 円/ t

(全リサイクル原料受入量- 埋立最終処分量)
×管理型最終処理施設の単価

2,793 百万円/年

効果 回収量 LME 価格(2009.3.31 の価格)
※インジウムは2009.3.27
EEBE(R)
金回収 4,875kg/年 2,913,000円/kg 14,201百万円/年
銀回収 376t/年 42,440円/kg 15,939百万円/年
銅回収 10,024t/年 430,000円/t 4,310百万円/年
鉛回収 1,858t/年 185,000円/t 344百万円/年
亜鉛回収 206t/年 165,000円/t 34百万円/年
パラジウム回収 903kg/年 681,000円/kg 615百万円/年
インジウム回収 152t/年 36,000円/kg 5,465百万円/年
小計 12,621t/年   40,908百万円/年

フロン・代替フロンの破壊による外部経済効果:3.82億円

フロン・代替フロンの破壊によってオゾン層破壊の防止と温暖化防止の効果が期待できます。これらの効果を評価するために、被害算定型環境影響評価手法LIME※2を用いてEEBE(R)に換算しました。

フロン・代替フロン破壊による効果 EEBE(R)
地球温暖化への影響 206百万円/年
オゾン層破壊への影響 176百万円/年
合計 382百万円/年

※1 EEBE(R)とは:企業が環境負荷低減のために努力し、実現した効果を具体的な金額に換算することで評価する企業活動評価の数量的指標です。四大監査法人、大手企業、大学教授らが参加して結成された中間法人『クラブ・エコファクチュア』で研究されています。(http://www.ecofacture.com/eebe/)

※2 LIME:LIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)とは産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターがLCAプロジェクトインパクト評価研究会と連携して開発した物質のライフサイクルを考慮した環境への影響評価指標で、人間への健康や社会資本への影響を統合し、単位量当たりの影響被害額として示しています。現在、1,000を超える環境負荷物質を対象としてデータベース化されています。

※3 フロン・代替フロンの破壊に関するEEBE(R)については、温暖化防止とオゾン層の破壊防止効果を算定の対象とし、LIME係数による試算を行いました。なお、LIME係数が設定されていない一部のフロン類については、温暖化やオゾン層の破壊防止効果が期待される場合でも、保守性の観点から対象外としています。

第三者意見

クラブ エコファクチュア(R)(株)MIC武田技術士事務所 代表者 武田 彰夫

金属資源の回収事業は、貴重な資源を無駄に廃棄することによる社会的な損失を回避するとともに、資源採掘時に発生する生態系や生物多様性の破壊を防いでいます。また、廃棄物処理やフロン類破壊は、不適正処分という顧客のリスクを引き受けて解消することにより、適正でない処理による社会的な損失も回避しています。

ここで示されたEEBE(R)は、これらの社会的な損失や、生態系の破壊の回避金額をざっくりと示し、DOWAグループの事業の社会的意義を伝えています。EEBE(R)の手法は発展途上であり、未だ改善の余地はありますが、報告された数値は、財務諸表には現れないDOWAグループならではの企業価値を端的に表しています。

▲PAGE TOP