特集I 地球環境への貢献―地球温暖化対策事業や、アジア地域における廃棄物適正処理・ リサイクル事業展開を通じて、地球環境保全に貢献しています。―
アジアの国々では、廃棄物が適正に処理されず、健康被害や環境汚染が深刻な社会問題となっています。このことは、アジア地域に進出している日系企業をはじめとする先進国の企業にとっても大きな問題となっています。
DOWAグループでは、国内で培ってきた技術を活かし、これまで中国におけるリサイクル事業を進めてきましたが、さらにインドネシアやタイ、シンガポールにおいても廃棄物処理事業や土壌浄化事業、リサイクル事業を展開し、アジアの環境保全に貢献しています。
また、フィリピンにおける養豚場からのメタン回収破壊事業や、廃油からバイオディーゼルを精製する事業など、地球温暖化問題にも積極的に取り組んでいます。
01 アジアNo.1を目指して
PPLi社(インドネシア)
東南アジアでは、適正に処理できる廃棄物・リサイクル施設が未だ十分でなく、廃棄物や有害物質の不適正な処理による人々の健康被害や環境汚染が大きな社会問題となっています。この問題は、東南アジアに進出している日本や諸外国の先進企業にとっても、廃棄物の適正処理やリサイクルを進める上で、大きな課題となっています。
PPLi社(インドネシア)
DOWAグループは、国内における環境・リサイクル事業で培った先進的な技術やノウハウを活かし、これまで中国において事業展開を行っていますが、さらにアジアにおける環境問題への対応を進めるため、2009年2月に東南アジアの廃棄物処理会社であるModern Asia Environmental Holdings Inc.(以下MAEH社)を傘下におさめました。MAEH社は、インドネシア、タイ、シンガポールの東南アジア3カ国、4拠点で廃棄物処理事業を展開している会社で、各事業拠点では、ISO9001・14001、US−EPA(米国環境保護局)などの国際基準に適合した、最新の技術を採用しています。最終処理施設は、シートからの漏洩を防ぐため3重の安全構造となっており、また廃棄物の収集運搬には、GPS(衛星による位置確認)を利用した車両の運行管理やバーコードによる廃棄物の管理など、最新のテクノロジーを採用しています。
MAEH社の経営資源を活用することで、東南アジアに進出している企業に対しても、日本と同様の信頼あるサービスを提供することが可能となり、日本・中国・東南アジアで廃棄物処理・土壌浄化・リサイクルのトータルサービス(One-Stop-Shop)が提供できる唯一の会社となります。
事業活動を通じて、東南アジアの廃棄物処理やリサイクルの向上に貢献するとともに、今後は日本政府などが行っている東南アジアの環境支援活動にも協力していきます。
また、これらの拠点を中心とした環境コンサルティングや、CDM(Clean Development Mechanism)事業などの温暖化対策事業を展開するとともに、各国における環境関連の人材の育成にも力を入れていきます。
BPEC社(タイ)
ESBEC社(タイ)
TEC社(シンガポール)
- PPLi 社(PT Prasadha Pamunah Limbah Industri/インドネシア):
インドネシア国内で唯一、有害廃棄物の最終処理の営業許可を所有している会社で、廃棄物の最終処理、廃油・廃液処理などの拠点です。 - BPEC社(Bangpoo Environmental Complex Co Ltd./タイ):
タイに2ヶ所しかない廃棄物焼却処理施設の一つで、廃棄物の焼却処理などの拠点です。 - ESBEC社(Eastern Seaboard Environmental Complex Co Ltd./タイ):
タイで最終処理施設を保有する大手会社の一つで、廃棄物の最終処理、廃油・廃液処理などの拠点です。 - TEC社(Technochem Environmental Complex Pte Ltd./シンガポール):
設備は小規模ですが、処理メニューは豊富で廃棄物の焼却処理、蒸留・再生などの拠点です。 - ※上記の他、MAEL社(Modern Asia Environmental Ltd./タイ)、シンガポール:MAEHS社(Modern Asia Environmental Holdings Pte Ltd./シンガポール)などの持株会社を有しています。
今回MAEH社の買収を機に、日本と同様のビジネスモデルが東南アジアでも展開可能となり、これら地域に進出している日系企業の方々に、安心と信頼ある環境トータルサービスを提供できるものと自負しております。
また、MAEH社はDOWAグループにとって計り知れないポテンシャルを秘めており、今後DOWAエコシステムの中核企業として成長し、グループ全体の新たなステージへの飛躍にも大きく貢献できるものと期待しています。
MAEH President 大西 賢二