DOWA CSR報告書2019

編集方針

Governance企業統治

DOWAグループは、社会から信頼される企業であり続けるために、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題の一つと位置付け、「DOWAグループの価値観と行動規範」に基づき、取り組んでいます。

CSR方針

  • 開かれた会社、透明感のある会社を目指す
  • 国際的な取り組みに配慮し、贈収賄などの腐敗防止に努める
  • CSRに配慮した調達を行う

活動の進捗状況

企業統治分野における2018年度の活動状況と、2019年度の計画は以下の通りです。

2018年度 実績

企業統治重点施策 課題 指標 評価 主な実績
内部統制・ガバナンス 国内外各社の内部統制活動の支援 役員ハンドブックの作成 役員研修時に責務について説明
コンプライアンス、
リスクマネジメント
ハラスメントに関する説明会の実施 3回 700名参加
CSR調達推進 推進体制・方法の見直し 他業種交流を踏まえた
見直し実施
グローバル・コンパクト・ネットワーク・
ジャパン サプライチェーン分科会参画
での他社との協業・連携
社内教育の推進 調達担当者を対象とする
CSR調達教育の実施
独自教育ツールの開発および調達
担当者および新入社員計66名への
教育

2019年度 取り組みと目標

内部統制・ガバナンス 指名委員会の設置   設置
開示すべき重要な不備件数 0件
コンプライアンス、
リスクマネジメント
海外駐在者向け
コンプライアンス教育の実施
  海外拠点長の集合研修において
コンプライアンス教育を実施
CSR調達推進 他社との協業による
啓発ツールの作成
  1件

コーポレート・ガバナンス

 当社は、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を経営の最高課題の一つとして位置付け、社会への貢献と内部統制の効果的かつ効率的な体制整備・運営に、グループ全社を挙げて取り組んでいます。

コーポレート・ガバナンス体制

 当社では、健全かつ効率的に組織を運営すると同時に、意思決定の迅速化と経営の効率化のため、執行役員制を採用するとともに、持株会社制を導入して事業部門を子会社に分離しています。また、監査役会の設置、社外取締役の選任により、経営の健全性の確保を図っています。

体制図

取締役会・取締役

 取締役会は、専門性や経歴等を考慮して選任した社外取締役2名を含む取締役8名(男性7名、女性1名)で構成され、社外監査役3名を含む監査役4名が出席します。また、取締役会の業務執行の決定および監督機能については、取締役会による実効性の評価を毎年実施し、継続的な改善を図ることとしています。
 2019年3月期は、取締役会を15回開催し、社外取締役の出席率は100%でした。また、社外取締役および監査役は、定期的な会合として意見交換会を実施し、その連携を確保しています。

取締役会・取締役

取締役会の実効性に関する評価結果

 当社は、社外を含む取締役および監査役全員を対象としてアンケート(自己評価)を実施し、取締役会全体の実効性について取締役会での議論を通じて分析・評価を行いました。

実施内容|アンケートの実施による自己評価

評価対象
2018年4月から2019年3月までに開催された取締役会(計15回)
評価者
全ての取締役および監査役
評価結果
取締役会の開催頻度や議長の議事進行などは適切であり、自由闊達な議論の場になっていること、およびその構成や付議事項等を含む実効性は充分に確保されていることが確認されました。

実効性向上のための今後の取り組み

昨年度の課題として挙げられた、全社的リスクの評価方法の検討と中期経営計画の実施施策に対する分析および振り返りについては一部改善も認められるものの、継続的な改善が望まれるという意見が示されました。今後は、これらを踏まえ、引き続き取締役会のさらなる実効性の向上に取り組んでまいります。

ガバナンスに関する基本方針や取り組み状況については、当社のコーポレート・ガバナンスに関する報告書をご覧ください。

任意の委員会の設置状況

 役員報酬制度は、社外取締役のほか社外有識者などによって構成される報酬委員会の助言を受けて、当社グループの連結業績、株主への配当、外部の報酬水準など客観的な視点を取り入れて設計しています。また、経営幹部の選解任など特に重要な事項に関しては、客観的な立場からの助言を得るために、指名委員会を設置しています。両委員会の構成は、社外取締役2名、社外監査役1名、社外有識者1名を含む5名以上で構成することとしており、委員長を取締役会で選任のうえ、原則1年に1回以上開催しています。

コンプライアンス

 DOWAグループにおいて、「遵法」については、企業経営の基本を成すものと位置付け、社員一人ひとりが法令を守るだけでなく社会の良識に則った活動を行うため、「DOWAグループの価値観と行動規範」を制定し、事業活動を通じた社会への貢献とともに内部統制の実効的な体制整備と運営にグループ全社を挙げて取り組んでいます。また、DOWAグループ各社が毎年の内部監査に対応することにより、コンプライアンスに対する意識の向上を図っています。

内部統制活動

 当社ではコーポレート・ガバナンスの強化を図るため、ホールディングス(持株会社)とグループ各社が内部統制の基本方針や基本システムを共有するとともに、具体的な活動において各社ごとの独自性を活かせるようにすることで、持株会社制に合わせた効果的かつ効率的な内部統制を図っています。

内部監査

DOWAグループが定める内部監査規則に基づく内部監査は、会計監査や法務監査、安全環境監査など企業活動全般に関わり、関連する各部門とグループ各社の連携のもと、実施しています。また、監査結果については取締役、監査役および関係部署に報告しています。2018年度は、内部統制の強化の一環として国内は8社で内部監査を実施し、海外は北米、東南アジア、中国の15社において内部監査を実施しました。

内部統制システムに関する基本方針およびその運用状況については、当社のアニュアルレポートをご覧ください。

内部通報制度

 企業活動に伴うリスクの早期発見を促し、従業員にとってより安心で快適な職場環境を目指すため、社外弁護士に直接相談できる「DOWA相談デスク」を設けています。通報等に関する秘密保持と通報者が不利益な扱いを受けないことが保証されており、イントラネットやポスター、グループ報などを通じ周知を行っています。
 また、お取引先や協力会社とのより健全なパートナーシップを構築するため、社外にもこのDOWA相談デスクの窓口を開放し、お取引先や協力会社の従業員でも利用できるようにしています。窓口では、寄せられた相談や意見に関わる秘密を守り、迅速かつ適切に対応しています。

リスクマネジメント

 DOWAグループでは、企業理念の実現、経営計画を達成する上で阻害要因となるリスクを適切に管理し、社会的責任を果たし、かつ持続可能な企業価値の向上に資することを目的として、リスクマネジメントに取り組んでいます。グループを取り巻くリスクのうち、「事業リスク」は取締役会等が、「CSRリスク」は環境・安全部門が各部門と連携して対応します。

リスクマネジメント

事業継続計画(BCP)の取り組み

 当社では、大規模地震に加え、近年増加している台風、集中豪雨による洪水などの自然災害、また新型インフルエンザ等のパンデミックに対応する事業継続計画(BCP)を地域・事業所別に策定し、非常時における事業活動継続のためにリスクを回避する取り組みを行っています。

BCPの継続的な改善

 BCPは定期的に見直しを実施しており、2018年度は18社の事業子会社がBCPを更新し、災害規模や対応手順、目標復旧期間等について見直しを行いました。あわせて、防災関連のマニュアルの改訂や備蓄物品の追加など、実際的な活動に落とし込んだ対策も進めています。

サプライチェーンにおけるBCP策定調査

 BtoBビジネスを主とする当社にとって、サプライチェーンの途絶は納入先であるお客様の生産・販売へ与える影響が大きいため、主要なお取引先にはCSR調達を通じて災害発生時の速やかな事業復旧・継続に関するBCPの策定状況を確認しています。未策定のお取引先には、取り組みの重要性をご説明し、BCP対策の強化をお願いしています。また、大雪や台風などの自然災害の発生時には、本社の調達部門が、地域別のサプライヤーの生産拠点リストをもとに生産・出荷への影響について迅速な確認を実施しています。

全社防災訓練の実施

 年2回の全社防災訓練を実施し、ホールディングス、事業会社、事業部の各階層における緊急対策本部の立ち上げ、従業員の安否確認、各緊急対策本部間の被害状況の報告連絡といった初動対応能力の維持・向上を図っています。

安否情報確認システムの導入

 災害発生時に迅速な連絡と安否確認を行うため、スマートフォンを利用した安否情報確認システムの導入を行い、防災体制の強化を図っています。2018年度の防災訓練では、本システムを利用した安否情報集約訓練を行い、迅速に情報収集ができることを確認し、無事に訓練を終えることができました。

全社防災訓練の実施

国際機関・国際コンソーシアムへの参画

 DOWAグループは、2009年3月、国際連合が提唱する企業の自主行動原則である国連グローバル・コンパクト(UNGC)に賛同・署名し、国連グローバル・コンパクトの掲げる「人権・労働・環境・腐敗防止」の4分野における10原則を尊重し、社会の持続的発展に向けて取り組んでいます。

国連グローバル・コンパクトの10原則

人権
  1. 1.企業はその影響の及ぶ範囲内で国際的に宣言されている人権の擁護を支持し、尊重する。
  2. 2.人権侵害に加担しない。
労働
  1. 3.組合結成の自由と団体交渉の権利を実効あるものにする。
  2. 4.あらゆる形態の強制労働を排除する。
  3. 5.児童労働を実効的に廃止する。
  4. 6.雇用と職業に関する差別を撤廃する。
環境
  1. 7.環境問題の予防的なアプローチを支持する。
  2. 8.環境に関して一層の責任を担うためのイニシアチブをとる。
  3. 9.環境にやさしい技術の開発と普及を促進する。
腐敗防止
  1. 10.強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止するために取り組む。

 当社のCSR調達方針やガイドラインなどの策定においても、人権の尊重や児童労働の排除など、グローバル・コンパクトの原則を反映させています。また、UNGCの日本におけるローカルネットワークであるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)の活動に積極的に参加しています。2018年度は、GCNJ「サプライチェーン分科会」に参加し、さまざまな企業と連携しながら、活動の推進に努めています。

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

人権への取り組み、腐敗防止

 当社は、国連グローバル・コンパクトの10原則の下、国籍、人種、民族、宗教、性別、年齢、障がいなどによる不当な差別や、児童労働、強制労働を禁じ、腐敗防止に取り組んでいます。人権については、海外事業所を含む事業子会社に毎年アンケート調査を実施し、現状把握に努めています。

ハラスメント研修

 2018年度は、グループ全体の管理職を対象とするハラスメント研修を実施しました。DOWA相談デスクの問合せ窓口を担当する社外弁護士を講師に招き、パワハラ・セクハラに関する法的位置付けやリスク、判例に基づく具体的な判断基準などについて講義が行われました。研修は開催場所である東京本社と全国の事業所をテレビ会議でつなぎ、3回にわたって実施し、管理職と任意参加者を含めて700名以上が出席しました。

ハラスメント研修

また、研修教育に加え、事業所でのポスター掲示やイントラネット等を通じた情報発信を行い、職場におけるハラスメントの防止に努めています。

反社会的勢力排除に向けた取り組み

 当社では、「DOWAグループの価値観と行動規範」の中で、企業の社会的な責任として反社会的勢力などによる不正行為を排除することとし、全役職員が自覚し、行動することを求めています。統括部署である総務・法務部門を中心に関係部署が協力して対応する体制を整えており、必要により弁護士などの外部専門機関とも連携し組織的に対応することを定めています。また、社員研修、マニュアルの配布等により、全役職員に規範および関連法規の遵守を徹底するとともに、遵守状況については内部監査によりモニタリングしています。

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