社会分野における2018年度の活動状況と、2019年度の計画は以下の通りです。
社会重点施策 | 課題 | 指標 | 評価 | 主な実績 |
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ダイバーシティの推進 | 障がい者雇用 | 2.2% | △ | 採用活動の強化 |
女性社員研修、管理職研修の実施 | 受講率90% | ○ | 受講率90%(女性社員研修93%、管理職研修88%) | |
グローバル人材層の拡充 海外事業所人材・組織強化 |
グローバルチャレンジプログラム実施 | ○ | ■グローバルチャレンジプログラム 中堅社員6名が受講(タイ・シンガポール・インドネシア・アメリカ・インド) 【内容】国内研修3ヶ月・海外実習3ヶ月を通じた海外における仕事力の涵養 ■海外拠点長研修 拠点長10名が参加(インドネシア・シンガポール・タイ・中国) 【内容】組織ミッションの作成/海外トラブル事例の共有 |
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各社の採用力強化研修の実施 | 全主要拠点での開催 | ○ | DOWA主要6拠点(大館・小坂、秋田、東京、中部、岡山、柵原)で採用担当者ミーティング開催 | |
ワーク・ライフ・バランス推進 | 諸制度の社内周知の徹底 | 制度説明用ハンドブック更新・周知 | △ | 制度説明用ハンドブックの更新完了(2019年度に社内周知予定) |
年休消化の奨励 | 取得率60% | ○ | 取得率70% | |
労働時間管理・低減策の推進 | 労働時間に関するグループ管理基準の厳守徹底 | ○ | 労働時間に関するグループ管理基準の運用徹底 | |
人材育成、評価・処遇 | 考課者被考課者トレーニング実施 | 参加者300名 | △ | 247名 |
制度サーベイ実施 | 実施者1,100名(回答率100%) | △ | 60% | |
新入社員への考課制度教育 | 受講率100% | ○ | 受講率100% | |
キャリア設計セミナーの導入 | 受講率30% | × | 受講率2% | |
社会貢献 | 地域ニーズを捉えた地域貢献活動の推進 | 5回 | ○ | タイ、インドネシア、ミャンマーで、次世代育成支援活動や環境保全活動を地域住民とともに実施 |
社会貢献活動の情報発信・共有による支援 | 取り組み事例の収集、情報提供の実施 | ○ | 事業子会社を対象とする取り組み調査の実施グループ報への掲載 DOWAホールディングスのホームページを通じた外部への情報発信 |
ダイバーシティの推進 | 障がい者雇用 | 2.2% | |
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労働環境整備:各拠点へのヒアリング | 働きやすい職場作りのための施策立案 | ||
グローバル人材層の拡充 海外事業所人材・組織強化 |
グローバルチャレンジプログラム実施 短期集中英語特訓研修実施 海外拠点長研修実施 |
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大学/高専との関係強化 機電系採用ルートの開拓 |
重点校の明確化 採用ルートの明確化 |
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ワーク・ライフ・バランス推進 | 諸制度の社内周知の徹底 | 制度説明用ハンドブック周知 | |
年次有給休暇消化の奨励 | 取得率70% 全社的な有給取得奨励施策推進 |
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労働時間管理・低減策の推進 | 労働時間に関するグループ管理基準の厳守徹底 | ||
人材育成、評価・処遇 | 考課者トレーニング/被考課者説明会の実施 | 受講者300名 | |
人事制度の浸透度/理解度サーベイの実施 | 回答率100%(対象者1,100名) | ||
新入社員への考課制度教育 | 受講率100% | ||
新人・若手社員へのキャリア教育の実施 キャリア設計セミナー啓発 |
受講率:100% 受講率:10% |
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社会貢献 | 子供たちへの教育に関する活動 | 4回 | |
地域活性化に関する活動 | 4回 |
DOWAグループでは、各事業所・部門において、お客様、株主・投資家、お取引先、地域社会、社員などの主たるステークホルダーとさまざまな手段でコミュニケーションを実施しています。
DOWAグループでは、株主・投資家などのステークホルダーの方々に対する企業・経営情報の説明をコーポレート・ガバナンス上の重要課題の一つと認識しており、適時・適切な情報開示に努めています。
四半期ごとの決算発表においては、経営層による決算説明会の開催を行っています。また、国内外の投資家へ経営情報を直接説明する機会も設けています。さらに、当社の経営方針・経営状況を報告するツールとして、和文・英文・中文アニュアルレポートや報告書を発行し、適切で透明性の高い情報開示に努めています。
2018年度は、株主・投資家の方々に向け、新たに当社の最新IR情報や主なニュースリリースをお届けするメール配信サービスを開始しました。また、DOWAグループの経営状況や事業戦略をご理解いただくために、当社ウェブサイトにIR情報を掲載し、決算短信、有価証券報告書などのほか、アニュアルレポートや株主通信などの資料も掲載しています。今後も分かりやすくタイムリーな情報開示に努めていきます。
2018年度は、6月26日にホテル椿山荘東京で第115回定時株主総会を開催し、約400名の株主の方々が出席しました。株主総会終了後には、株主の方々とのコミュニケーションを促進することを目的として懇談会を開催し、役員との対話の場や、各事業の製品展示コーナーを設けています。
また、懇談会会場とは別にプレゼンテーションルームを設け、役員によるDOWAグループのトピックスの説明を行っています。2018年度はDOWAメタルマインの事業展開として「DOWAの資源開発~亜鉛原料の長期安定確保の取り組み~」についてプレゼンテーションを行いました。
四半期ごとの社長・経営陣による決算説明会のほか、事業説明会などを開催しています。
また、IR担当による国内外の機関投資家への訪問、個別取材への対応なども実施し、当社事業や事業計画への理解を得られるよう努めています。対話によりいただいたご意見は、経営陣に対し定期的に報告し、経営の改善に役立てています。
DOWAグループは、よりよい製品・サービスの提供を通してお客様の満足度の向上に、お取引先とは長期的な信頼関係の構築に努めています。さらに、環境保全や労働環境の向上など、サプライチェーンを通じたCSRの取り組みを推進しています。
当社では、CSR調達方針、行動規範などをとりまとめた「DOWAグループCSR調達ガイドライン」をお取引先に配布し、当社のCSRについての考え方への理解を求めるなど、サプライチェーン全体でCSRを推進しています。2018年度には、「責任ある鉱物調達方針」の見直しに伴い、改定を行いました。
また、当社自身もサプライヤーとして、お客様からCSR調達の要請を受けることがありますが、正しく理解し迅速に対応するため、環境・安全部門と調達部門が連携し、社内説明やフォローアップを実施しています。
2018年度は、CSRの取り組み状況を確認いただくセルフチェック式のアンケートを主要取引先約100社に配布し、95%を回収しました。回答いただいた全てのお取引先にフィードバックのレポートをお送りし、現状評価をお伝えしています。前年度と比較すると、全体的な傾向は変わらず、分野別にみると社会貢献の取り組みが弱いことがわかりました。
重要な調達先については、実際に訪問し当社のCSR調達の考えをお伝えするとともに、CSR調達ガイドラインとの適合性確認を行っています。2018年度は、当社の製造事業にとって重要な原料・副資材メーカー6社を訪問しました。訪問先では、アンケート結果に関するヒヤリングと書類確認、サイトの安全や環境の取り組み状況について確認を実施しています。また、今後のCSRの取り組みに活かしていただけるよう、監査結果は報告書に取りまとめてご確認いただいています。
今後もサプライチェーンにおけるCSRの重要性について、お取引先にもご理解いただくことでパートナーシップを強化しつつ、さらなるCSRの向上に取り組みます。
当社では、モノづくりをする上で「品質」を重要な経営基軸として位置付けています。主要製造工場は、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証を取得しています。この品質マネジメントシステムをPDCAに基づき継続的に運用することで、製品およびサービスの品質の向上に努めています。2018年度は、主要な海外事業所を対象とする社内の品質管理体制の監査を実施しました。
さらに、品質管理の強化に向けた取り組みとして、調達品の品質確保にも力を入れています。サプライヤー各社にご協力いただき、品質・技術の側面から、適切な頻度でサプライヤー調査や監査を実施して調達品品質の確保を図っています。
お客様からいただいたご意見やお問い合わせに対しては、迅速に適切な改善を図ることで、ご満足いただける製品の供給に努めています。情報共有・管理システムの整備を図り、事業所ごとに集められた情報を分類・分析し、評価を実施し、商品・サービスの改良・改善や開発につなげています。
DOWAグループは、社会分野の取り組みの中で地域貢献を重点施策として取り組んでいます。国内外の各拠点では、地域とともに歩み発展していくために、地域懇談会などのコミュニケーションやスポーツイベントなどの主催、工場見学やインターンの受け入れなどの地域に根ざしたCSR活動を積極的に展開しています。
2018年5月、当社の発祥の地である秋田県小坂町の小坂中学校3年生47名が、修学旅行の一環として、東京のDOWA本社を訪問しました。2013年から始まった見学会では、当社の事業説明やオフィス見学の後に、毎年生徒の方々から歌やダンス、プレゼンテーションなど工夫を凝らした発表が行われるなど、相互の交流の場となっています。6回目となる2018年度は、校歌や童謡の合唱を披露いただき、さらに生徒の方々が小坂町活性化アクションプロジェクトで作成した「小坂町市日マップ」と町の写真を使用したカレンダーを贈呈いただきました。
秋田県の十和田湖畔で開催されるDOWA杯は、1991年に始まった歴史あるジュニア・クロスカントリースキー大会で、秋田県スキー連盟の公式大会に認定されています。ジュニアオリンピックの代表選考レースを兼ねており、またパラリンピックの正式種目であるシットスキー競技が行われるのも特徴のひとつです。
本大会は当社の従業員のほか、自治会、地元スキークラブの方々など100名以上のスタッフが運営に携わります。1か月以上かけてコース整備を行い、会場設営や最後の撤去まで協力しながら実施するなど、四半世紀以上にわたりDOWAグループと地域の皆さまとのきずなを深めるイベントになっています。2019年2月、29回目を迎えたDOWA杯には、東北3県の小・中学校から集まった245名の子供たちが参加してレースを競い合いました。
児島湖花回廊サポーターズクラブ(KFSC)は、岡山市の児島湾の干拓事業で知られるDOWAグループの創業者・藤田傳三郎の遺徳に倣い、児島湖およびその周辺の環境整備に取り組むためDOWAグループが主体となって設立した団体です。児島湖の周辺に河津桜を植樹・育成する花回廊プロジェクトなどを通じ、地域交流や環境保全活動を推進しています。花回廊プロジェクトは、桜1本1本にサポーターの名前が書かれたプレートがつき、植えた人が自主的に管理する仕組みで、植樹や手入れも含め、地元の方々と力を合わせて取り組んでいます。河津桜が花を咲かせる3月上旬には、地元の町内会やボランティア団体のご協力をいただきながら、さくらまつりを開催しています。2018年度は、3月11日に「第9回 児島湖花回廊さくらまつり」を開催し、約2万人の方に足を運んでいただきました。
ヤンゴン近郊のティラワ経済特区に立地するGOLDEN DOWA ECO-SYSTEMMYANMAR(以下、GEM社)は、ミャンマー初の民間による廃棄物処理施設として、廃棄物の運搬、選別、中間処理、リサイクル、最終処分と総合的な廃棄物管理ソリューションを提供しています。
GEM社は、事業を通じて社会に貢献するだけでなく、CSR活動を通じて社会の信頼を得て、ともに成長していくことを目指しており、DOWAグループのCSR方針に沿って企業統治・安全・環境・社会の4分野のCSR活動すべてに取り組んでいます。重点施策である社会貢献の推進においては、地元ミャンマーの発展に貢献するため、地域住民の生活の向上や未来を担う子供たちの支援につながる活動を積極的に行っています。
GEM社では、地域の方々との交流を深める場として、毎年5月と11月に施設建設時から近隣住民の方々を対象に、事業の説明と健康や安全をテーマにした講演やイベントを行うワークショップを開催しています。10回目となった2018年11月のワークショップでは、事業所の操業状況や安全・環境の取り組みの説明と、交通安全の向上に向け、身近な乗り物であるバイクの運転について安全をテーマとした講演を行い約50名の住民の方々に参加いただきました。
GEM社のCSR活動は相互の信頼醸成を基本としており、進んで地域住民の状況を理解すると同時に自社の情報開示にも努めています。GEM社が立地するティラワ地区の近隣の村には、従業員として同社で働いている方々を含め約1,000人の住民が暮らしています。近隣住民の方々に実際にGEM社の廃棄物処理施設を見ていただくため、2019年1月、2回目の事業所の見学会を開催しました。見学会には、大人だけでなく地域の子供たちも含めた80名の方々が参加し、ローカルスタッフの説明のもと各施設の状況をご覧いただきました。このような機会を通じて、地域の方々にGEM社を身近な存在と感じていただくことと、廃棄物の処理についても関心を持っていただくきっかけになればと考えています。
ミャンマーでは毎年2月13日が「子供の日」で、大切な子供の成長を願い家族でお祝いをします。GEM社では、子供の日を記念して、毎年2月に近隣の子供たちを招いたイベントを開催しています。2018年度は2月17日に3回目のイベントを実施し、参加した約300名の地域の子供たちにお菓子や豆乳などをプレゼントしました。今後も、地域の子供たちが楽しめるような取り組みを続けていきたいと考えています。
DOWAグループでは、人材を企業活動のすべての基本とし、学歴差、年功差、男女差などに関わらず仕事を進める能力で評価することを定めています。その人材が最大限に力を発揮できるよう、さまざまな取り組みを行っています。
2018年度末(2019年3月31日)時点の国内従業員数は6,359名で、昨年より265名の増加となりました。なお、国内正規社員のうち男性は4,049名(91%)、女性は388名(9%)です。グローバル化に伴い、海外事業所の従業員の割合が増加傾向にあり、2018年度の海外従業員数は全体の約34%を占めています。また、グループ全体での新卒者、中途採用者の合計採用者数は、男性は230名、女性は31名で、前年より15%程度増加しています。入社3年後の定着率は概ね90%前後で推移しており、女性の方が高い傾向にあります。
国内の雇用状況(DOWAグループ)
属性 | 年度 属性 |
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | ||
国内正規社員 | 役員 | 128 | 1 | 125 | 1 | 120 | 1 |
管理社員 | 758 | 9 | 778 | 10 | 754 | 13 | |
一般社員 | 2,901 | 311 | 2,948 | 326 | 3,175 | 374 | |
国内非正規社員 | 派遣社員 | 633 | 709 | 720 | |||
パート | 1,050 | 281 | 897 | 300 | 839 | 363 | |
計 | 5,470 | 602 | 5,457 | 637 | 5,608 | 751 | |
総計 | 6,072 | 6,094 | 6,359 |
地域別従業員数(非連結含む)
年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
日本 | 6,072 | 6,094 | 6,359 |
アジア(日本以外) | 2,899 | 3,092 | 3,148 |
欧州 | 23 | 14 | 14 |
北米 | 96 | 131 | 166 |
中南米 | 1 | 4 | 4 |
計 | 9,091 | 9,335 | 9,691 |
人材定着率(DOWAグループ新卒・中途混合)
入社年度 | 2016年度(2018年度末時点) | |
---|---|---|
男性 | 女性 | |
入社3年後の平均定着率% | 88% | 100% |
平均定着率 | 89% |
熊本県では、県全体の労働環境や処遇の向上を図り若者の県内就職を促進するため、働く人がいきいきと輝き、安心して働き続けられる企業を「ブライト企業」(ブラック企業と対極の企業をイメージした熊本県の造語)として認定し、その優れた活動を広く周知する取り組みを行っています。水俣市で家電リサイクルを行うアクトビーリサイクリングは、2018年10月、これまでの地域雇用や地域社会への貢献度、従業員とその家族の満足度の向上、安定した経営に向けた取り組みが評価され、県南地域では2社目となるブライト企業に認定されました。
DOWA グループでは、人材・組織におけるビジョンとして「堅実かつ自由な社風を尊重し、長期的な成長基盤を構築することで、社会に新しい価値を提供し続ける、人材と組織を創造する」ことを目指す姿に定め、全従業員を対象に、さまざまな人材育成・活用施策を展開しています。
DOWAグループでは「仕事を進める能力で評価する」という理念に基づき、以下の方針のもと、公正な評価・処遇に取り組んでいます。
考課者・被考課者に対する訓練をグループ全体での取り組みと位置付け、継続的な訓練の機会を設けることで、適切な評価・処遇・育成に努めています。訓練の機会として3年間でグループ全社員を網羅する計画であり、2018年度からの3年間の強化ポイントとしては、制度理解に加えて、部下とのコミュニケーション促進を狙った『面談トレーニング』を実施します。また、制度運用状況を評価するため、サーベイを例年実施しています。抽出した課題は翌年の被考課者説明会および考課者トレーニングにおいて新たな改善項目として加え、従業員の制度への理解促進、および適正な運用に努めています。
新入社員から管理職まで職位区分に応じて行う階層別教育と、各階層の次世代リーダー育成のための選抜型教育の教育制度を設けています。また、意識共有や啓発のために実施するトレーニングやミーティングを実施しています。2018年度は、新たに管理職を対象とするミドルマネジメント強化研修や、各拠点人材育成責任者に向けた現場力強化人材育成責任者ミーティングを開催しました。また、選択型教育では、時間や場所の制約が少なく利用しやすい通信教育やe-learning、社外交流型教育などを自己啓発の機会として活用できるよう提供しています。
(DOWAホールディングス、事業会社対象)
DOWAグループでは、様々な価値観や考え方を持つ多様な人材がそれぞれの個性や能力を十分に発揮することが、企業の成長につながると考えています。
当社はダイバーシティ推進の一環として、国籍によらずグローバルに働くという考えのもと、採用段階からの仕組みづくりを進めています。海外大学を卒業した日本人留学生や外国人、海外からの外国人留学生を積極的に採用している他、さまざまな国・地域での人材雇用の拡大に伴い、採用時における人権への配慮とともに、当社の理念や方針等を伝える教育を行っています。また中堅社員を対象として、自部門以外の海外拠点に赴き課題解決に取り組む研修「グローバルチャレンジプログラム」を実施するなど、グローバル人材層の育成に取り組んでいます。
技術や知識を活かし、定年後も引き続き勤務を希望する社員に対して、さらにやる気を持って働くことのできる環境整備に努めています。また、定年後のセカンドキャリアに関する情報提供を目的として、一定年齢に到達した社員を対象としたライフプランセミナーを開催しています。また、高齢者雇用に関する検討委員会を設立し、今後の人材活用のあり方について協議を行っています。
働き方において性別による区別はなく、国内外問わず、女性社員も製造や研究開発、生産管理、営業、経理といったフィールドで活躍しています。採用・昇格・昇進などにおいても同様に、実力に応じた評価を行っています。総合職採用の女性は入社人数全体の1~2割であり、女性管理職は1.7%と決して多くはありませんが、事業環境や職場環境の変化に伴い年々増加傾向にあります。特に国内一般社員は50名近く増加しました。また、女性活躍推進を支援するため、2017年度よりダイバーシティ・キャリア研修、ダイバーシティ・マネジメント研修を立ち上げ、女性社員向けの教育の拡充にも努めています。
当社では、コアタイムなしのフレックス制度や育児にかかる費用補助など、子育て中の女性社員が働きやすい職場環境は整ってきたものの、男性社員に比べ継続雇用の割合が低いという課題があります。今後、女性の採用10年後の継続雇用割合を男性と同程度の8割以上とすることを数値目標として、両立支援制度整備と意識改革に積極的に取り組んでいきます。
階層別女性労働者の割合
階層 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|
役員 | 0.8% | 0.8% | 0.8% |
管理社員 | 1.2% | 1.3% | 1.7% |
一般社員 | 9.7% | 10.0% | 10.5% |
2018年度のグループ全体の障がい者雇用率は1.3%と、法定雇用率に達することができませんでした。一方で、採用人数そのものは増加傾向にあります。今後も障がい者雇用の推進のため、職場体験の機会の提供や、受け入れ態勢を整えた働きやすい職場環境づくりに取り組みます。2019年度は職種の拡大を行いながら採用を進めています。
仕事と生活の調和を図り、従業員がそれぞれのライフスタイルに応じて能力を最大限に発揮できるよう、ワーク・ライフ・バランスの支援に向けた制度の充実や、働きやすい職場環境の整備を進めています。
当社では、業務の繁閑や特性に合わせた働き方ができるよう、コアタイム無しのフレックスタイム制度を導入しています。また、ボランティア休暇や一定の勤続年数ごとに取得できるリフレッシュ休暇制度のほか、子の看護休暇の有給化(5日まで)、育児を理由とした場合の転居を伴う異動の制限、育児費用の一部補助、ライフイベントに伴う休業制度など、法に定められている以上の支援策を整備しています。年々各制度の利用者数は増加しており、2018年度は育児休職者が33名となり、子の看護休暇は男性35名、女性28名の取得がありました。
育児休業・介護休暇取得者
年度 取得人数(人) |
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
育児 休業 |
0 | 28 | 2 | 32 | 2 | 31 |
看護 休暇 |
24 | 24 | 27 | 26 | 35 | 28 |
当社では、毎年新入社員を対象として、ワーク・ライフ・バランスに関するアンケートを実施しています。2018年度は、前年に引き続き男性を含めた育児や介護休暇の取得希望者が80%を超え、仕事と家庭の両立を自分事として捉えるような変化が起きていると考えられます。子の看護休暇など現行制度の利用率が向上している背景には、制度を利用しやすい職場環境の整備などを進めていることに加えて、このような従業員の意識の変化による影響も大きいと言えます。
一方で、仕事と家庭の両立に向け、年次休暇取得率向上への取り組みや在宅勤務制度化など、具体的な施策の拡充を望む意見も幅広く寄せられました。これらの意見も踏まえながら、今後もワーク・ライフ・バランスの取り組みを進めていきます。
従業員が心身ともに健康でいきいきと働けるよう、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に取り組んでいます。本社が管理する勤怠システムではパソコンのログによる時間管理を行っていますが、一定の労働時間を超過した場合に管理者への改善計画の提出を義務付けています。また残業時間数に応じて産業医の面談も行っています。2018年度の平均残業時間は月18.2時間と前年に比べ8%減少し改善傾向にあります。引き続き、労働時間の適正化に向けて、ハード・ソフト両面からの労働時間管理に努めます。
2018年度の年次有給休暇については、平均付与日数20日に対し約70%の取得状況で、前年比で7%増加しました。事業所ごとの業務状況に応じた計画年休の推進のほか、年次途中の取得状況のフィードバックなどの意識改革を通じ、年々取得率は向上しています。