DOWAサーモテックは、金属部品の耐久性向上に欠かせない熱処理技術のパイオニアとして、工業炉製造や加工において規模・品質ともに国内トップクラスのサービスを提供しています。工業炉事業では、生産性が高く競争力のある熱処理炉や新しい表面処理技術の開発などを進め、熱処理加工事業では、浸炭熱処理などの高い技術力を武器に、積極的な海外展開を進め、グローバル総合熱処理メーカーを目指しています。
事業分野
熱処理加工事業 | 工業炉事業 |
主な商品とサービス
各種熱処理、各種表面処理、各種熱処理設備および付帯設備の設計・製造・販売・メンテナンスなど
〈DOWAサーモテック主要工場の紹介〉
国内最大級のプラズマ窒化処理
1956年の設立以来、熱処理のメッカ・名古屋の地にて自社開発のプラズマ窒化処理をはじめとする多彩な熱処理ラインナップで不動の地位を確立。2006年のDOWAグループ入り後は、中京地区の主力工場としてDOWA熱処理事業の牽引役を担っています。
所在地/愛知県名古屋市瑞穂区浮島町19-1
従業員/ 98人(2014.3末)
プラズマ窒化処理を中核
セムの最大の特長であるプラズマ窒化処理は、1974年に自社開発で工業化に成功、専用炉で受託加工を開始しました。現在は自動車AT(オートマチック)部品を中心に年間500万個の処理体制を誇っており、1拠点では国内最大級の規模です。DOWAサーモテック唯一のプラズマ処理拠点として、コストや処理適用範囲など顧客のニーズに応じたオールラウンドの窒化処理を展開しています。
顧客層が自動車業界のみならず、建設機械、産業ロボット、船舶、航空など多岐にわたっていることも、セムの特長です。プラズマ窒化処理以外でも、アルミ合金熱処理やガス浸炭処理など多彩な熱処理ラインナップを揃えており、これら幅広い顧客層の多種多様なニーズに的確に応える体制を敷いています。
工場リニューアルを機に安全・品質・生産性を一層向上
セムは会社設立以来実に半世紀以上が経過しており、築30~40年の工場建屋の老朽化や業容拡大に伴う工場レイアウトのやり繰りなど、既存建屋での対応に年々無理が生じてきていました。中京地区において今後も長きにわたり安定な事業基盤を確保すべく、2011年度から3 ヵ年計画で主力2工場(S2工場:プラズマ窒化、N2工場:ガス浸炭)の建替プロジェクトに着手しました。
S2工場は従来3箇所に分散していたプラズマ窒化炉16基を同じフロアに集約、作業者の無駄な移動のゼロ化や設備管理の強化で生産性を向上させると同時に、上下階のクレーンによる製品吊り上げ作業も廃止して安全性を高めました。N2工場でもレイアウト見直しによる無駄な運搬作業の廃止や未処理・完成品の分離、熱処理設備と作業場の分離による作業環境の大幅改善など、安全・品質・生産性のさらなる向上を図ることができました。
河村 孝太郎
今回3ヵ年計画にてプラズマ窒化処理工場の建替え、浸炭工場の建替えを実施し老朽化した建屋をリニューアルしました。2工場の建替えを順次実施していくに当たり、建設と顧客への工程変更申請、またそれに伴う品質確認、変化点管理を並行して進めることができたのは従業員全員での協力があって実現できたことだと実感しております。
今後、この名古屋の地で20年、30年と操業していくに当たり、今回の工場建替えをスタート地点とし、今まで以上の品質向上、幅広い顧客ニーズへの対応に取り組んでいきたいと思います。
河野 成宏
2011年に始まったS工場の建設、そして今回のN工場の建設と約3年にわたり、建設の主担当を務めてきました。今回の建設では、操業しながらの工事であったため、時間や工事エリア等の制限が多く、なかなか計画どおりに進まないこともありましたが、みなさんのご協力のおかげで事故も無く、建設を終えることができました。この場を借りて、感謝申し上げます。
また、今回の大変な建設を乗り切ったセムのメンバーであれば、ここからさらに良い工場を目指せるはずです。自分達の工場を、自分達の手でより良いものにできるよう、今後も取り組みを続けていきたいと思います。
2013年度QC大会にて金賞、銀賞を受賞
セムでは熱処理技能など各種資格取得を奨励しており、中でも熱処理技能士(1級)の女性社員3名を擁するなど、一工場としての有資格者数はDOWAサーモテック内で最大数を誇っています。こうした社員の資格やスキルを活かして、日頃から活発な改善活動を展開しています。その成果として、DOWAサーモテックグループで毎年開催されているQC活動発表会において、セム代表チームは昨年度金賞、銀賞を受賞、さらに改善提案の提出件数最多賞を4年連続で受賞。今後もさらなる高みを目指して、活動を推進していきます。