DOWA CSR報告書2014

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CSR REPORT 2014

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環境

事業活動の環境負荷・環境リスク低減

Environment

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新エネルギー等の活用

DOWAグループでは、温暖化対策として省エネルギーや燃料転換などに取り組んでいますが、さらに環境負荷の少ない新エネルギーの活用を積極的に進めています。新エネルギーは自然の力や今まで捨てていたエネルギーを有効に使うことで生み出され、化石燃料の削減と同時にCO2の排出量を減らすことができます。

廃棄物発電

廃棄物発電

排熱を有効利用する廃棄物発電は、ごみを焼却する際の「熱」で高温高圧の蒸気を作り、その蒸気でタービンを回して発電します。廃棄物発電は石油などの化石燃料の消費を節約し、CO2の削減にもつながる優れたシステムです。DOWAグループでは、国内4か所、海外1か所の5事業所で発電を行っており、2013年度に利用した廃熱発電量は、前年度に比べ約20%増の74.3GWhでした。

水力発電

水力発電

水の流れを利用して電力を生み出す水力発電は、環境負荷の少ない純国産エネルギーです。金や銀、銅などの金属製錬を行う小坂製錬では、1897年より発電を開始し、現在秋田県内に6か所の水力発電所を保有しています。2013年度の発電量は前年度に比べ約13%増の67.8GWhとなり、製錬事業のエネルギーを賄う重要な電力源となっています。

太陽光発電

太陽光発電

DOWAグループでは、国内の4事業所が太陽光発電システムを導入しています。2013年度は4社合計で約300MWhの発電を行いました。太陽光発電は、天気によって発電量が左右されますが、発電量を目に見える形で示すことができるなど、従業員の省エネ意識の向上や工場見学者に対する地球温暖化・エネルギー問題などの環境啓発に役立っています。

バイオディーゼル

バイオディーゼル

バイオディーゼル岡山では、岡山市と共同で一般家庭、コンビニエンスストア、飲食店、食品製造工場などから排出される廃食用油を回収しBDF(バイオディーゼル燃料)を製造しています。製造したBDFは、岡山市のごみ収集車、バス、DOWA事業所内のトラックやフォークリフトなどに使用される軽油の代替燃料として利用しており、CO2の削減に貢献しています。バイオディーゼル岡山のBDFは、その品質について全国バイオディーゼル燃料推進協議会の品質確認制度において、国内トップレベルの品質であると認定を受けています。

社会からの評価

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バイオディーゼルの取り組みが「環境おかやま大賞」を受賞

2013年10月、バイオディーゼル岡山が、「環境おかやま大賞」の「循環型社会形成推進部門」で岡山県から表彰されました。廃油のバイオディーゼル燃料の取り組みが循環型社会の形成に大きく貢献することと、また、環境教育を通してリサイクルの仕組みや重要性について積極的に啓発活動を行ってきたことが、成果として認められました。

資源循環の推進

DOWAグループでは、天然資源の消費を抑制するとともに、使用済み資源の循環的利用を進めることにより、持続可能な社会形成への貢献を図っています。

INPUT

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〈原材料〉
2013年度の原料の使用量は1,006千トンで、前年度に比べ6%増加しました。

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〈受入廃棄物〉
2013年度の受入廃棄物量は1,122千トンで、前年度に比べ9%増加しました。これはエコシステム千葉とエコシステム花岡の受入量が増えたことによるものです。

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〈水資源〉
2013年度の水資源投入量は103百万m3で、前年度に比べ2%減少しました。水の用途では、全体の約87%を占める冷却水が最も多く、これは海水を使用しています。淡水の利用は水資源投入量全体の約13%で、生産用のほか、上水にも利用しています。

2013年度の省資源・リサイクルの取り組み

運転管理の徹底 コークス使用量 7%削減
社内精製鉄原料の使用拡大 原料使用量 約16%削減
めっき厚バラツキ低減 スズ原料 約2%削減
面削屑・形削屑のリサイクル リサイクル原料 1,837kg増加

OUTPUT

〈製品〉
2013年度の製品量は569千トンで、前年度に比べ4%増加しました。これは亜鉛および亜鉛加工品の出荷量が増加したことによります。

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〈マテリアルリサイクル〉
2013年度のマテリアルリサイクル量は374千トンで、前年度に比べ29%と大幅に増加しました。このうちDOWAグループ内でのリサイクルが156千トン、社外でのリサイクルが218千トンでした。これは主に、土壌リサイクルと海外での廃油リサイクルが増加したことによるものです。

2013年度の包装資材削減の取組

  • 容器の大型化による個別包装の削減など、梱包方法の工夫による包装材の削減
  • 中古フレコンバッグや通い箱の活用など、容器・包装材の再利用の推進
  • 容器包装の持ち帰りや納入業者の回収の支援を実施

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〈廃棄物〉
2013年度の廃棄物処理量は517千トンで、前年度に比べ5%減少しました。

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〈排水〉
2013年度の総排水量は104千トンで、前年度に比べ7%増加しました。これは、降雨量の増加に伴う雨水排水と、亜鉛の生産量増加に伴い冷却水として使用した海水量の増加によるものです。

大気汚染、水質汚濁の負荷量

DOWAグループの大気および水質の負荷量は、環境・リサイクル事業で受け入れる廃棄物の組成によって大きな影響を受けています。各事業所は、管理体制の強化や国の規制より厳しい自主基準値を定めるなどして、負荷量の抑制に取り組んでいます。

排ガス

2013年度の排ガス排出量は10,214百万m3(国内9,492百万m3、海外723百万m3)で、国内の排ガス排出量は前年度に比べ5%増加しました。 国内の窒素酸化物(NOx)の排出量は、前年度比16%減少しました。硫黄酸化物(SOx)の排出量は前年度比30%増加、ばいじんの排出量は前年度比25%増加しました。窒素酸化物、硫黄酸化物、ばいじんの排出量の変化については、廃棄物受け入れ量と組成の変化によるものです。

〈排ガス量の推移〉

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〈物質別大気排出量の推移〉

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水質

2013年度のBOD(生物化学的酸素要求量)は、DOWAグループ全体の生産活動の増大に伴い前年度比13%増加しました。またCOD(化学的酸素要求量)は、前年度比4%増加しました。

〈物質別水域排出量の推移〉

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化学物質の排出量、移動量

DOWAグループでは、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)に基づき、各工場においてPRTR法対象物質の環境への排出の削減に努力しています。

主な低減対策

  • 工程で使用する薬品の回収、再使用
  • 有害性の高い化学物質を代替もしくは不使用製品の開発

単位:トン(ダイオキシン類はg-TEQ)

政令番号 第一種指定化学物質名 排出量 移動量
大気 水域 土壌 自社
埋立
下水道 事業
所外
1 亜鉛の水溶性化合物 - 6.0 - - - -
31 アンチモン及びその化合物 0.04 0.3 - 140 - -
44 インジウム及びその化合物 - - - - - 7.0
53 エチルベンゼン 0.004 - - - - -
71 塩化第二鉄 - 0.005 - - - 5.5
72 塩化パラフィン(炭素数が10から13までのもの及びその混合物に限る。) - - - - - -
75 カドミウム及びその化合物 0.02 0.09 - 52 - 33.1
80 キシレン 0.004 - - - - -
82 銀及びその水溶性化合物 0.01 0.004 - 5.8 - -
87 クロム及び三価クロム化合物 - 0.07 - 110 - 2.0
132 コバルト及びその化合物 - - - - - 1.3
144 無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸塩を除く。) - - - - - 0.003
237 水銀及びその化合物 - - - 0.3 - -
242 セレン及びその化合物 0.01 0.2 - 6.2 - -
243 ダイオキシン類 0.06 0.0005 - - - 15.0
258 1,3,5,7-テトラアザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン - 0.05 - - - 1,529.7
272 銅水溶性塩(錯塩を除く。) - 1.2 - - - 7.5
304 0.34 0.07 - 1400 - 42.0
305 鉛化合物 - - - - - 1,605.5
308 ニッケル - 0.007 - - - -
309 ニッケル化合物 - 1.2 - - - 0.8
332 砒素及びその無機化合物 0.07 0.07 - 750 - 355.2
333 ヒドラジン - - - - - 1.9
374 ふっ化水素及びその水溶性塩 0.26 36.0 - - - 3.4
405 ほう素化合物 - 9.1 - - - 1.2
411 ホルムアルデヒド - 0.2 - - - -
412 マンガン及びその化合物 - 6.3 - - - 928.3
438 メチルナフタレン 0.04 - - - - -

環境対応製品、新エネルギー分野への展開

エネルギー資源が少ない日本で太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの利用拡大を目的として、2012年、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT/Feed in Tariff )がスタートしました。
本制度を背景に、太陽光発電や風力発電は着実に導入が進んでいます。
DOWAグループは、新エネルギー分野のさまざまな機器向けに製品や技術を提供することで、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいます。

DOWAの金属セラミック回路基板

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当社の金属セラミック回路基板は、電力を効率よく制御するための半導体デバイスに用いられる絶縁基板です。当社製品は高い絶縁性と放熱性・信頼性を兼ね備えており、産業機械などに使用される高耐圧パワーモジュールなどに幅広く使用されています。風力発電や太陽光発電で使用されるパワーモジュールにはより高い特性が要求されるため、アルミベース一体型基板など、耐熱性と信頼性がさらに優れた製品の量産化を進め、拡大する需要に対応していきます。

環境・エネルギー分野に貢献するDOWAのエコプロダクツ

DOWAグループは、供給先のお客様の製品に使用されることで省エネルギー、省資源、有害物質フリーなどを実現するよう、サプライチェーン全体での環境負荷低減に貢献する素材開発や技術の向上に取り組んでいます。

〈窒化物系HEMT 構造エピ基板〉

パワー半導体デバイスの材料

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用途 家電製品の電源、サーバー、ハイブリッドカー
環境性能 省エネルギー/シリコン系より電気抵抗が低く、電力損失を3分の1に制御

〈深紫外LED〉
深紫外線(350nm以下)を出力できるLED

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用途 樹脂硬化、接着、乾燥、治療、各種分析、光触媒、水浄化など
環境性能 省エネルギー、高効率、長寿命、有害物質の削減(水銀フリー)/水や物質表面の殺菌・
消毒を効率的に行える波長(300nm以下)を実現

〈MR(貼り合わせ)LED〉
高機能化したエピタキシャル薄膜を成長した基板に、金属反射部を備えた基板を接合する技術を導入した高出力赤外LEDチップ

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用途 スマートフォンの近接センサー
環境性能 省エネルギー/高出力による低消費電力化

社会からの評価

窒化物HEMT エピ基板「井上春成賞」を受賞!

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※井上春成賞:大学等の研究機関の成果・技術をもとに企業で製品開発・事業化した科学技術を表彰する賞で、表彰は年間2件。

2013年7月、DOWAエレクトロニクス半導体事業部の「窒化物HEMT エピ基板」が(独)科学技術振興機構の井上春成賞※を受賞しました。窒化物HEMT エピ基板は名古屋工業大学の江川教授との共同研究の成果をもとに、半導体材料研究所でパワー半導体デバイス用材料として開発、DOWAセミコンダクター秋田で製品化したもので、今回の受賞はこの実績が評価されたものです。

この窒化物HEMT エピ基板を用いたパワー半導体デバイスは、エコ家電やエコカーなどの中核部品として電力損失の削減を可能にするもので、省エネルギーに貢献します。

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