DOWAグループのマテリアルバランス
DOWAグループでは、事業のライフサイクルの各段階で必要な資源やエネルギーの投入(INPUT)と、その活動から発生するCO2や廃棄物(OUTPUT)の収支を定量的に把握して、マテリアルバランスを考えながら事業活動を進めています。
社会の資源循環、自社の資源循環
当社の事業活動は、金属素材や半導体を作る「製品製造事業」と、廃棄物のリサイクルや処理、土壌浄化を中心とした「環境事業」の2つに分けて考えることができます。
環境事業を通じて社会の資源循環に貢献するだけでなく、当社の「製品製造事業」で発生した廃棄物の大半は、「環境事業」でリサイクルを行い原料として活用しています。また、「環境事業」の廃棄物処理で焼却時に発生する熱を無駄なく有効利用し、蒸気や電力として回収して、他のプロセスのエネルギーとして活用しています。このようにグループ内で物質やエネルギーを相互活用するなど、資源循環を意識して事業活動を行っています。
2013年度のマテリアルバランス
2013年度より海外事業所3社が加わったことから、前年度に比べて、海外における環境負荷が増加しました。
INPUT
製造・処理量の増加に伴い、購入電力量と化石燃料消費量が増加し、総エネルギー投入量は前年度比11%増となりました。総物質投入量については、受入廃棄物量は前年度比9%増、原料使用量は前年度比4%増となりました。
OUTPUT
温室効果ガス排出量については、エネルギー投入量の増加と、国内の電力排出係数の悪化により、前年度比16%増となりました。リサイクル・廃棄物発生量については、マテリアルリサイクルが前年度比29%の大幅増の一方、廃棄物量は前年度比で5%削減することができました。
個別項目の詳細については、下図以降をご覧ください。
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地球温暖化対策への取り組み
DOWAグループでは、日本経団連および日本鉱業協会の低炭素社会実行計画(2013年1月公表)に基づき、「2020年度におけるCO2排出原単位を1990年度比で15%削減する」という目標を掲げ取り組んでいます。
温室効果ガス排出量の推移
2013年度のDOWAグループ全体での温室効果ガス排出量は、約1,718千t-CO2(国内1,677千t-CO2、海外40千t-CO2)で、国内における排出量は前年度に比べて約16%増加しています。海外は2013年度より3工場が加わったこともあり、主に化石燃料起源のCO2が増加しています。国内は、秋田製錬の亜鉛増産による電気使用量の増加、エコシステム山陽の廃棄物処理量増に伴う化石燃料消費量の増加が主な要因です。
今後も、エネルギーの効率的な利用に向け、対策を進めるとともに日常的なCO2排出量削減活動に取り組んでいきます。
DOWAグループのCO2排出量は、外部から受け入れる廃棄物の焼却処理に起因する二酸化炭素の排出が大きいことが特徴です。受入廃棄物排出については、取扱量のコントロールによる削減が困難であることから、廃棄物焼却熱を使った発電や蒸気利用などのサーマルリサイクルを進め、有効利用を図っています。
また、オゾン層の破壊をもたらすフロン類や温暖化の原因となるHFC、PFC などの代替フロン類についても、廃棄物の焼却熱を利用して破壊処理を行っています。
〈電力起源〉
〈化石燃料起源〉
〈廃棄物起源(国内のみ)〉
2013年度のCO2削減の取り組み
設備面では燃料転換やLED照明の導入、取り組み面では設備の計画停止や空調温度適性化、輸送面では二酸化炭素の排出が少ない鉄道や船舶へのモーダルシフト、集荷・集配における輸送の効率化などを推進しました。
設備燃料を重油から天然ガスに切り替え | CO2削減量 116t/年 |
コンプレッサーの入れ替えによる台数削減 | CO2削減量7,600t/年 |
廃熱回収による省エネルギー | 燃料削減量 37.9kl/年 |
散水による空冷チラー冷却効率向上 | CO2削減量 8.6t/年 |
※CO2排出量については、原則として、系統電力購入量、化石燃料消費量、および受入廃棄物量に対して地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)における排出係数を乗じて求めています。受入廃棄物由来のCO2排出量に関しては、この報告書の作成に当たり算定条件を設定しているため、行政への報告値と必ずしも一致しない場合があります。また、日本と海外の廃棄物の分類が異なることと、海外事業所の受入廃棄物に対し適切な排出係数を設定するのが困難であることにより、廃棄物起源のCO2排出量については国内事業所分のみ表示しています。