経済性報告
2007年度の主な取り組み 外部経済効果EEBE(R)
DOWAグループの環境事業では、資源をリサイクルしたり、廃棄物を適正に処理し無害化、安定化することで環境の保全に貢献しています。また、廃棄物を処理する熱を利用して、オゾン層を破壊したり、地球温暖化をもたらす フロンや代替フロン類などを破壊、処理しています。
これらの活動が、社会や環境に与えている効果について、外部経済効果(External Economical Benefit Evaluation=EEBE(R))※1という考え方を使って評価しました。
廃棄物の処理による外部経済効果
廃棄物を処理することで、廃棄物の容積を減らし(減容効果)埋立処分場の寿命を延ばすとともに、無害化によって有害な廃棄物を管理するコストを削減できるとして、これらの効果を評しました。
金属リサイクルによる外部経済効果
廃棄物から金属資源をリサイクルすることの経済効果は、回収された金属自体の価値(国際相場価格としてLME:ロンドン金融取引所価格を使用)と金属を含んでいた廃棄物の減容による埋立処分場延命効果の両方を合わせて評価しました。リサイクルされる主な金属として金、銀、銅、鉛、亜鉛、白金を対象としました。
フロン・代替フロンの破壊の破壊による外部経済効果
フロン・代替フロンの破壊によってオゾン層破壊の防止と温暖化防止の効果が期待できます。これらの効果を評価するために、本年度からは被害算定型環境影響評価手法LIME※2を用いてEEBE(R)に換算しました。※3
※1 EEBE(R)とは:企業が環境負荷のために努力し、実現した効果を具体的な金額に換算することで評価する企業活動評価の数量的指標です。四大監査法人、大手企業、大学教授らが参加して結成された中間法人『クラブ・エコファクチュア』で研究されています。(http://www.ecofacture.com/eebe/)
※2 LIME:日本型被害算定型環境影響評価手法LIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)とは産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターがLCAプロジェクトインパクト評価研究会(NEDO委託事業)と連携して開発した物質のライフサイクルを考慮した環境への影響評価指標で、人間への健康や社会資本の影響を統合し、単位量当たりの影響被害額として示しています。現在、1000を超える環境負荷物質を対象としてデータベース化がなされています。LIMEおよび係数に関する内については、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)発行「平成14年度新エネルギー・産業技術総合開発機構委託製品等ライフサイクル環境影響評価技術開発成果報告書作成者:社団法人産業環境管理協会」で参照できます。
※3 昨年度のフロン類処理によるEEBERについては、温暖化ガスを対象とし、温室効果ガスの限界削減費用に基づき試算しましたが、本年度よりオゾン層の破壊防止効果を含むLIMEによる試算に変更しました。このため、フロン類処理によるEEBERの値は、昨年に比べて大きなものになっています。