DOWA CSR環境報告書2010 -Corporate Social Responsibility Report 2010-

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外部経済効果EEBE(R)

DOWAグループの環境事業では、資源のリサイクルや、廃棄物を適正処理することによる無害化・安定化により、環境の保全に貢献しています。また、廃棄物処理で発生する熱を利用して、オゾン層破壊や地球温暖化をもたらすフロンや代替フロン類などの破壊処理も行っています。

これらの活動が社会や環境に与えている効果については、外部経済効果(External Economical Benefit Evaluation=EEBE(R))※1という考え方を使って評価しました。

合計:940億円

■廃棄物の処理による外部経済効果:250億円

廃棄物の焼却処理による容積の減少(減容効果)、埋立処分場の延命効果、有害廃棄物の無害化・安定化による経済的効果についてEEBE(R)を算出しました。

効果 産業廃棄物受入量 埋立最終処分量 社会的コスト単位 EEBE(R)
減容化

非特別管理産業
廃棄物

660千t/年

焼却灰

220千t/年

管理型最終処理
施設の単価

15,000円/t

(非特別管理産業廃棄物- 焼却灰)
× 管理型最終処理施設の単価

6,600百万円/年

無害化

特別管理産業
廃棄物

130千t/年

ばいじん

39千t/年

遮断型最終処理
施設の単価

200,000円/t

(特別管理産業廃棄物- ばいじん)
× 遮断型最終処理施設の単価

18,000百万円/年

合計 25,000百万円/年

■金属リサイクルによる外部経済効果:690億円

廃棄物から金属資源をリサイクルすることの経済効果については、回収された金属自体の価値(国際相場価格としてLME:ロンドン金融取引所価格を使用)と金属を含んでいた廃棄物の減容による埋立処分場延命効果の両方を合わせて評価しました。

効果 全リサイクル
原料受入量
埋立最終処分量 社会的コスト単位 EEBE(R)
減容化



100千t/年



1.0千t/年

管理型最終処理
施設の単価

15,000 円/ t

(全リサイクル原料受入量- 埋立最終処分量)
×管理型最終処理施設の単価

1,500百万円/年

効果 回収量 LME 価格(2009.3.31 の価格)
※インジウムは2009.3.27
EEBE(R)
金回収 6,000kg/年 3,300,000円/kg 20,000百万円/年
銀回収 420,000kg/年 53,000円/kg 22,000百万円/年
銅回収 10,000t/年 730,000円/t 7,600百万円/年
鉛回収 24,000t/年 240,000円/t 5,900百万円/年
亜鉛回収 19t/年 250,000円/t 5百万円/年
パラジウム回収 1,200kg/年 1,400,000円/kg 1,700百万円/年
インジウム回収 190,000kg/年 56,000円/kg 10,000百万円/年
小計 35,000t/年   67,000百万円/年

■フロン・代替フロンの破壊による外部経済効果:3.8億円

フロン・代替フロンの破壊によってオゾン層破壊の防止と温暖化防止の効果が期待できます。これらの効果を評価するために、被害算定型環境影響評価手法LIME※2を用いてEEBE(R)に換算しました。

フロン・代替フロン破壊による効果 EEBE(R)
地球温暖化への影響 210百万円/年
オゾン層破壊への影響 170百万円/年
合計 380百万円/年

※1 EEBE(R) とは:企業が環境負荷のために努力し、実現した効果を具体的な金額に換算することで評価する企業活動評価の数量的指標です。四大監査法人、大手企業、大学教授らが参加して結成された中間法人『クラブ・エコファクチュア』で研究されています。
(http://www.ecofacture.com/eebe/)

※2 LIME: LIME(Life cycle Impact assessment Method based on Endpoint modeling)とは産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターがLCAプロジェクトインパクト評価研究会と連携して開発した物質のライフサイクルを考慮した環境への影響評価指標で、人間への健康や社会資本への影響を統合し、単位量当たりの影響被害額として示しています。現在、1,000を超える環境負荷物質を対象としてデータベース化がなされています。

※3 フロン・代替フロンの破壊に冠するEEBE(R)については、温暖化防止とオゾン層の破壊防止効果を算定の対象とし、LIMEによる試算を行いました。なお、LIME数が設定されていない一部のフロン類については、温暖化やオゾン層の破壊防止効果が期待される場合でも、保守性の観点から対象外としています。

※4 EEBE(R)の算定にあたっては、海外事業所の活動に由来する外部経済効果は含めないで、国内事業所の活動のみに由来するものだけを算出しています。

第三者意見------------------------------------------------------------------------------------

クラブ・エコファクチュアWG:
株式会社インターリスク総研 コンサルティング第一部 環境グループ
マネージャー・主席コンサルタント 猪刈 正利

DOWAグループでは、2004年発行の環境報告書から、毎年、環境会計のデータと共に外部経済効果EEBE(R)の算出結果を外部公表されており今回が7回目になります。内容的にも、当初は産業廃棄物処理事業及び金属リサイクル事業からスタートしましたが、2007年度からは、さらにフロン・代替フロンの破壊事業のEEBE(R)も算出・公表され、このように同グループの本取り組みは継続的であり、かつその内容も充実しつつあります。

今後は、単に1年間のEEBE(R)の算出結果を公表するだけではなく、環境会計やCO2等の環境パフォーマンスのデータと同様に、その経年変化についても解説を付して公表することにより、同グループならではの事業を通じた外部経済効果について、広くステークホルダーにアピールされることを期待します。

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