社員とのかかわり
人材育成
2009年度は「現場力の向上」を目標とし、具体的には下記の二つのテーマに絞って活動を行ってきました。
1 | 現場技能向上運動の推進 | 2 | 人材育成風土の醸成 |
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この二つについて、主な活動内容を紹介します。
1.現場技能向上運動の推進
DOWAホールディングス技術部門が行っている「現場改革」と連携して活動を進めています。国際的な競争に勝ち抜くための「技術立社」、これを実現するための人材育成、そのための仕組みを、現場レベルで構築することが目的です。人材をより計画的に育成する仕組みをつくり、全社に水平展開することを目標としています。現在、以下のフェーズに分けてテーマを進めています。
2009年度は、現場における人材育成の現状把握と情報共有を始めました。社員一人ひとりに求める行動・技能を明確にし、自らが成長した姿を描きながら仕事ができるよう、引き続き現場技能向上運動の推進に取り組んでいきます。
2.人材育成風土の醸成
前出の「現場技能向上運動」が草の根の活動であるのに対し、こちらは現場での人材育成のキーマンとなる、マネージャー層に向けた活動です。主な取り組みは、右のとおりです。
○マネージャー研修 | a.労務管理 |
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b.コーチングスキル | |
2009年度のマネージャー研修は、6ヶ月間に及ぶプログラムに若手管理職19名が参加しました。マネージャーに求められる労務管理知識のほか、部下育成のためのコーチングテクニックを学んでいます。特にコーチングでは、全4回の集合研修の合間を職場実践期間とし、学んだスキルを定着させる機会を設けました。プログラム開始前と終了後には職場メンバーへのアンケートを行い、回答者の8割から「コミュニケーションが以前に比べ良くなった」との評価を得ています。 このほか後述のとおり、マネージャーを対象に考課者訓練を全社的に実施しました。部下育成の視点を意識した適正な評価定着を通じて、人材育成に対するマネージャーの意識向上を図っています。 |
雇用・処遇
人事制度の見直し
2009年度に、DOWAホールディングスの処遇体系を改定しました。
目的は、グループ内を横断的に働く社員が、『仕事を通じて能力を上げ成果を出す』ことと、その『頑張りに報いることを可能にする』制度を構築するというものです。制度が定着し、目的に適うものとして機能するためには、制度を良く知ってもらうことはもとより、運用が徹底されていくことが非常に重要となります。
特に、人事考課は、処遇するためだけのものではなく、グループの職場のコミュニケーション促進や育成につながる重要なものとなりますので、以下の取り組みを集中的に実施しました。
○アンケートの実施
制度運営上の課題を抽出するために、生の声を聞くためのアンケートを実施しました。「考課が成績を付けるためだけに使われているのでは?」、「最終的な考課までのプロセスをより明確にして欲しい」、「基準をより明確に」、など様々な意見が寄せられ、制度改善や取り組みにつなげています。
○考課者トレーニング
日ごろ部下の育成に頭を悩ませている考課者を対象に、全国の20箇所で実施し、計500名が参加しました。実施後のアンケートからは、「考課制度を改めて振り返ることができた」、「育成につながること、プロセスを見ることが重要と再認識することができた」。という声が上がるなど、制度そのものの理解を促進し、考課尺度を再確認する場として活用しています。
障がい者の方が働きやすい作業環境を目指して
家電リサイクル事業を行っているアクトビーリサイクリング(熊本県水俣市)では、これまで障がいをもつ方々が社会復帰を目指す訓練の場として、分解作業や商品開発などを行う場を提供し、協働で作業を行ってきました。
2009年9月、OA機器等の解体を目的とした作業所の新設をきっかけに、障がい者の方々が安全に働ける作業ラインを設置しました。現在、近隣の障がい者授産施設から、作業員3名と指導員1名が毎日交代で出勤しており、ノートパソコンの解体作業をお願いしています。
手首の負担を減らすエアドライバーや、入れ替えせず使用できるようサイズ別ドライバーの設置などを行い、セルフでの解体作業が可能です。さらに、刃物を使わない解体手順の考案や、写真付きの分かりやすい分別ボックスの設置など、安全で、働きやすい作業環境づくりのために、障がい者の方々と一緒に考え、積極的に取り組んでいます。