DOWA CSR環境報告書2010 -Corporate Social Responsibility Report 2010-

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第三者意見DOWA CSR報告書2010

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株式会社イースクエア代表取締役
ピーター デイヴィッド ピーダーセン
Peter David Pedersen

○プロフィール

1967年デンマーク生まれ。95年コペンハーゲン大学文化人類学部卒業。企業コンサルタントとして、環境経営コンサルティングや国際シンポジウムの開催などを行う。2000年9月、CSR・環境コンサルティングを手がける株式会社イースクエアを設立し、代表取締役社長に就任。戦略、コミュニケーション、教育、マーケティング、事業開発などの分野で企業を支援。CSR分野におけるグローバルでの知見、企業のビジョンを引き出すファシリテーション能力を生かし、グローバル企業に対し、戦略的コンサルティングを行う。

DOWAグループでは、本業を通じた循環型社会の構築をCSRの根幹と位置づけ、取り組みを推進されていることが報告書からよく読み取ることができます。

報告内容に関して

報告書では、生活の要であり、産業の基盤を支える資源の有効活用に関わる企業グループとして、(1)自社の環境負荷削減、(2)事業を通じた貢献、(3)ステークホルダーとの協働、がCSR経営の重要な柱として捉えられていることが分かります。

(1)自社の環境負荷削減については、特に地球温暖化対応として2012年までの数値目標の設定だけでなく、長期的にはカーボンニュートラル企業を目指すというビジョンを掲げる姿勢が印象的です。

(2)事業を通じた貢献では、国内にとどまらず、資源循環の視点から無視することができないアジアにおいて積極的な展開を図られていることに、一企業グループとしてだけでなく日本企業としての責任とコミットメントを感じます。

(3)ステークホルダーとの協働に関しては、地域レベルでの様々な取り組みがうかがえます。一方で、これからさらに社会の多様なニーズに応え、異なる思想や文化を持つ人々との協働が必要となる中、社内においても多様な人材が活躍できる職場環境や仕組みづくりが喫緊の課題だと考えます。

また今回の報告書の改善点として挙げられている、社員の顔が見える誌面づくりでは、リーダーの声だけでなく若手社員や現場担当者のメッセージがあることで、取り組みを支える社員の皆さんの想いや会社への期待が伝わる報告書になってきていると思います。

さらなる改善に向けて

各分野での取り組みについては、成果や進捗が分かりやすく報告されているものの、DOWAグループとして目指すCSRの全体像が見えにくいと感じます。
各取り組みが全社のCSRビジョンにどうリンクしているか、それらの取り組みによって実現したい将来の姿はどのようなものかをより明確に示すことで、社内外の求心力をさらに高めることができるでしょう。

今後の取組への期待

先進国を中心とした利便性、快適性の追求に加え、近年の新興国を中心とした急速な発展により、資源循環と有効活用はグローバル規模の持続可能な発展を実現する上での重要な課題となっています。また、太陽電池やエコ家電など、新しい時代の技術を支えるという点でも、DOWAグループの取り組みはその重要性を増しています。

一方で、資源循環型社会の実現のためには、いかに効率よく廃家電・電子廃棄物を回収し、適正処理やリサイクルを行っていくかが重要な課題となります。

リサイクルに関する国際標準化の確立が求められる中、国際協議の場におけるDOWAグループのリーダーシップを期待したいと思います。特に資源循環の分野でいち早くアジアに進出し事業を展開しているDOWAグループの経験と実績に基づき、業種を超えた協働、パートナーシップの構築により、アジア先導での資源循環型社会の実現に貢献していくことを願っています。

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