循環型社会の構築に向けて
具体的な数値目標としては、2008〜2012年平均で2006年度よりCO2発生量を10%削減、ポスト京都議定書期間(2013〜2018年)では同20%削減を掲げます。これらの目標達成に向けた具体的施策は、今年度中に策定する次の中期経営計画に盛り込み、着実な CO2削減を図っていきます。
吉川
企業レベルの取り組みもさることながら、国民レベル、すなわち従業員一人ひとりの行動も、温暖化抑制には不可欠ですね。
河野
その通りだと思います。新たな環境基本方針に基づき、今年度から環境省の温暖化推進活動である「チームマイナス6%」にDOWAグループとして参加し、従業員一人ひとりの温暖化対策運動を社内展開していきます。私は、社員一人ひとりが日ごろから温暖化対策を意識して行動することが、結果として事業活動を通じたCO2排出削減を一層促進し、「カーボン・ニュートラル」の達成に直結すると信じています。
地域貢献活動の展開
地域に愛されるDOWAを目指して吉川
資源循環、地球温暖化対策など、グローバル・レベルの事業活動が今後ますます活発化していくと思われますが、こうした事業活動を進めていく上で決して忘れてはならないのが、永年にわたり私たちDOWAグループを支えてくれている「地域」の存在です。
昨年度に引き続きDOWAのルーツである小坂、岡山において、地域と一体となった活動を推進しました。小坂では、約30万uの鉱山跡地において「DOWAの森づくり」と題して、地元の小中学生、町民の方々と共に大規模な植林活動を展開しました。今後数年かけて、この広大な鉱山跡地に約100万本の苗木を植える計画です。岡山においては、桜の名所づくりを目指す「児島湖花回廊プロジェクト」が本格始動しました。地元市民のみなさんとDOWAグループの従業員が一体となって、児島湖周辺に約3,000本の河津桜を植える構想で、昨年植えた場所で早くも今春見事に開花し、地元の新たなスポットになっています。
河野
今年度の新たな地域貢献の取り組みとして、岡山市と共同でBDF(バイオディーゼル燃料)事業に着手しました。使用済み食用油を原料としてBDFを製造し、岡山市の一般ごみの収集運搬車両の燃料として活用する、という事業です。リサイクル事業の新たなメ ニューとしても注目しており、今後他地域への展開も視野に入れていきたいと考えています。
吉川
小坂、岡山に限らず、DOWAグループの各拠点において、こうした地域と一体となった活動を是非とも推進していきたいですね。「地域に愛される」ことこそ、DOWAの事業活動の原点、CSRの基本ではない でしょうか。
河野
「CSR元年」にあたり、私たちは「地域に愛されるグローバル企業・DOWA」を目指して、グループ一丸となって取り組んでいきたいと思います。
吉川
この「CSR報告書」をあらゆるステークホルダーの方々に是非お読みいただき、忌憚のないご意見、ご感想を頂戴しつつ、私たちの取り組みにご理解とご賛同を得ながら、DOWAとして社会的責任を果たして いきたいと考えています。