DOWAグループの海外展開は、1950年代からの海外20カ国以上での鉱山開発に始まり、市場やユーザーの環境変化に対応して積極的に進めてきました。特に2000年以降は、中国や東南アジアなど、高い経済成長が続くアジアの国々を中心に事業拡大に取り組んでいます。
2011年度は、急速に拡大しているインドの自動車市場に向け日系企業初の熱処理事業で進出し、さらに欧州の白金族リサイクル集荷拠点としてチェコにサンプリングや分析を行う事業所を開設しました。
CSR活動のグローバル展開
DOWAグループの2012～2014年度の中期計画Ⅴは「アジア・新興国市場での事業拡大」を基本方針の柱の一つとし、中でも環境・リサイクル部門は、アジアでNo.1の環境・リサイクル会社となり、アジアの環境改善に貢献することを目指しています。
このようなグローバル化の流れの中で、進出先の国民に信頼され、持続的なビジネスを展開するためにもCSR経営がますます重要になっています。DOWAグループは、生産技術やこれまで培った資源循環などの環境技術が評価され、海外に進出していますが、同時に環境保全、品質、安全、また地域の実情に合った社会貢献活動など、CSR活動のグローバル展開にも取り組んでいます。2009年には、このような国内外のCSR活動の基盤とするため、国連グローバル・コンパクトにも加盟しています。
近年の取り組み
昨年、インドネシアでは、これまで継続してきた教育支援や健康サポートなどのCSR活動が評価され、地元県知事より表彰を受けました。タイでは、現地社員を主体とした安全活動など、地域に根付いた取り組みを実践しています。発展の続く中国はDOWAグループの海外展開における重要な一角であることから、個々の現地法人における管理業務に加え、リスクマネジメント、コンプライアンスを強化するため、事業統括会社を設立しました。
また、生産・販売拠点を展開するだけでなく、これまでDOWAグループが培ってきた技術・ノウハウをお伝えするために、情報発信にも力を入れています。海外・各地域の主要な展示会への参加、学会での発表など、より多くのステークホルダーに対して情報を提供できるよう、積極的に取り組んでいます。
1.天津同和 2.蘇州同和資源/蘇州同和環保 3.江西同和 4.台湾事務所 5.PPLi
6.TEC/DOWA ECO-SYSTEM SINGAPORE 7.WMS/ESBEC/BPEC
8.バンクーバー事務所/CARIBOO COPPER 9.NIPPON PGM AMERICA 10.メキシコ事務所
11.MINERA TIZAPA 12.NIPPON PGM EUROPE 13.同和金属材料
14.DOWA METALTECH THAILAND 15.DOWA THT AMERICA 16.昆山同和
17.DOWA THERMOTECH THAILAND 18.HIGHTEMP FURNACES
19.DOWA INTERNATIONAL CORPORATION 20.同和企業管理 21.DOWA HD EUROPE
※事業会社略称
ES : DOWAエコシステム ／ MM : DOWAメタルマイン ／ EL : DOWAエレクトロニクス
MT : DOWAメタルテック ／ TH : DOWAサーモテック
中国家電リサイクル工場の拡大
2011年、中国家電リサイクル法施行に対応し、蘇州に続き天津市と江西省鷹潭市に新たな家電リサイクル工場を設立しました。3拠点で「日中合弁の先進リサイクル企業として、中国No.1を目指す」ため、さらなる事業展開を図ります。
シンガポールで貴金属リサイクル開始
2012年4月、貴金属回収・精製工場 DOWA ECO-SYSTEM SINGAPOREが本格稼動しました。日本・中国の既存拠点にシンガポールを加え、アジアでの貴金属リサイクル事業の拡大を図ります。
白金族リサイクル事業、初の欧州進出
2011年8月、チェコ共和国リベレッツに、リサイクル事業で欧州初の拠点となるNippon PGM Europeを設立しました。プラチナ・パラジウム・ロジウムなどの貴金属リサイクルを推進するため、使用済みの排ガス浄化用自動車触媒のサンプリングや分析を行います。
VOICE : 自動車触媒リサイクルは、環境意識の高い欧州でも、これから数年が本格的な拡大期となります。同時に集荷エリアも中・東欧さらには中央アジア地区まで広がりが期待できます。このような事業環境の変化に柔軟に対応し、これまで培ってきた評価・回収技術で、顧客の信頼を得るように取り組んでいきます。／ Nippon PGM Europe 代表取締役 荻野 正彦
中国でめっき事業を開始
江蘇省南通市にめっき事業を行う新工場を設立します。操業開始は2013年を予定しています。
中国・江蘇省で熱処理事業を開始
江蘇省昆山市に「昆山同和熱処理工業炉有限公司」を設立。熱処理設備製造工場と研究開発・熱処理加工サービスを行う技術センターを開業しました。
日系企業初、熱処理事業でインドへ本格進出
2011年9月、インド最大の熱処理加工・工業炉製造会社であるHightemp Furnaces Ltd. の経営権を取得しました。インド国内に5工場を展開する同社とDOWA とは､1985年の技術供与に始まる20年以上の関係があり､今後は当社の持つ技術や日系顧客とのネットワークを活かした事業展開を進めます。
VOICE : 4000年の文明を誇るインド共和国は、12億人超の人口を背景とした販売市場としても、豊富な労働力を背景とした世界各地への製造拠点としても、非常に魅力的な国家であります。無限の可能性を持つこのステージで、日系企業初の熱処理総合メーカーとして、我々の技術力と情熱を武器に事業を展開できることは大きな喜びであり、将来の飛躍に向けて邁進する所存です。
／ DOWAサーモテック 佐藤 彰浩
日中韓環境大臣会合において講演
2011年4月、韓国・釜山市で開催された第13回日中韓環境大臣会合において、参加3ヶ国の環境関連企業による産業フォーラムが実施されました。ES佐々木社長がアジアでの国際連携による廃棄物適正処理についてプレゼンテーションを行い、さらにフォーラム参加企業を代表して大臣会合への提言を行いました。
米国鉱物金属材料学会で環境技術を発表
2012年3月、米国フロリダで開催された「TMS2012-141st Annual Meeting & Exhibition（米国鉱物金属材料学会）」において、銅製錬の中間物から砒素を安定的に回収する世界初のスコロダイトプロセスと、その関連技術の発表を行いました。
TMSは世界中から鉱山・製錬関連の研究者や企業が集まる米国最大の資源・材料系の学会で、約4,000人が参加し、スコロダイトプロセスの発表では、活発な質疑応答があり、注目の高さがうかがえました。
VOICE : 新規技術であっても、世界が認めなければ優れた技術とは言えません。海外発表は我々の技術開発の位置づけが再確認できる一つの手段です。今回TMSで発表して「DOWAの技術も優れた点が多いものの、世界は広く、自分では思いつかない研究が多数ある。もっと頑張らないといけない」と感じました。
／ DOWAメタルマイン 藤田 哲雄
展示会 シンガポール
【ES】10月アジア3Ｒ推進フォーラム第3回会合
展示会 中国
【TH】上海4月 国際高周波表面熱処理展覧会2011
【MT】上海6月 PCIM Asia 2011
【ES】北京6月 日中グリーン EXPO 2011
【EL】広州2月 LED CHINA 2012
【ES】上海3月
IE expo 2012
【TH】重慶3月 第12回中国金属冶金展
展示会 ヨーロッパ
【EL】【MT】ドイツ・ニュルンベルク5月 PCIM 2011
【EL】ドイツ・ベルリン4月 EURO ID 2011
インドネシア・PPLi社のCSR活動が県から表彰
2011年8月、PPLi社は立地するボゴール県の知事より、CSR活動に対する表彰を受けました。これまで継続的に行ってきた「健康福祉（クリニックの無償設立やデング熱防止活動）」「教育（教師の派遣や奨学生制度）」「スポーツ（プロ選手によるサッカー教室の開催）」などの幅広い活動が評価され、県内受賞企業5社のうちの1社に選定されました。
米国で大学に桜を寄贈
2011年4月、DOWA
THT AMERICAはボーリンググリーン州立大学の創立100周年に桜を寄贈し、植樹記念式典が行われました｡
