DOWA CSR報告書2007 © 2007,DOWAホールディングス株式会社

【CSR特集】

DOWAが実現する循環型社会

DOWAグループの特徴ある企業活動と事業を通じたCSR

DOWAが実現する循環型社会

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世界各地の異常気象や生態系破壊など、目に見える環境問題として今や世界中で認知され、私たちに迅速な行動を促している「地球温暖化」。その一方で、日常生活の中では目に見えず、気がつかないうちに急速な勢いで地球上から枯渇している、金属をはじめとする「天然資源」。特に金属は鉄鉱石など一部を除いて、金・銀・銅ほか大部分の元素が今世紀中に枯渇してしまう可能性が取りざたされています。

DOWAグループは、前身の藤田組、そして同和鉱業の時代を通じて、120年以上前から金属資源に一番近いところで向き合ってきました。国内外の鉱山から掘り出した鉱石を原料として製錬所で地金を生産する「鉱山・製錬」事業から出発し、やがて地金を加工する電子材料・金属材料・熱処理などの川下分野へ進出、自動車や電気・電子製品など、私たちの身の回りにある様々な最終製品を構成する素材や部品を提供し続けています。そして、こうした製品の製造過程で発生する排出物や使用済みの製品を回収し、有害物質を確実に無害化した上で、有用金属を製錬所で再び地金にして世の中に送る「環境・リサイクル」事業。つまりDOWAは、川上から川下まで、そして再び川上へという「循環型事業」を展開しているのです。

今、世界中を見渡すと、豊かさが飽和・過剰気味になりつつある先進諸国の一方で、急激な人口増加と経済成長に伴い旺盛な消費を志向する発展途上国が次々と出現しています。その結果、生産が消費に追いつかないばかりか、先進諸国から流れてきた中古製品も加わって、膨大な量の排出物の環境対策やリサイクルが行われないまま、私たちの地球に未曾有の負荷を与えてしまっているのです。

世界中の旺盛な需要に引きずられて天然資源が掘り尽くされてしまわないうちに、そして排出物が地球に与える負荷が限界を超えてしまわないうちに、手を打たなければならない―――今まさに、DOWAの循環型事業の出番です。すなわち、生産~加工~販売~消費~使用という各ステージにおいて発生する排出物を回収し、排出物に含まれる金属を可能な限りリサイクルして、天然資源の枯渇・散逸を最小限に食い止めること。それは、鉱石や排出物から地金を製造できる製錬所を有する企業に課せられた社会的使命と言っても過言ではありません。DOWAもかつて、鉱山・製錬専業の時代に、国内外で天然資源を乱掘して、地球に多大な負荷を与える一方の立場にありました。時は流れ、天然資源の枯渇危機という重大な局面を迎えている今こそ、自ら率先して循環資源の供給者として、限りある資源の有効利用、すなわち「循環型社会」を世界中に広めていかなければなりません。―――DOWAの企業理念は、まさにCSR(企業の社会的責任)そのものです。

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